赤ちゃんの血液型は知らないと困る?検査する場所・費用や検査に適した年齢とは

赤ちゃんの血液型は知らないと困る?検査する場所・費用や検査に適した年齢とは

日本人の血液型はA、O、B、ABの順番で多いと言われています。たった4通りしかないのですが、赤ちゃんの血液型は何型だろう?と気になるママパパも多いですよね。しかし近年は、特別な理由がない限り、出生時に赤ちゃんの血液型検査は行われていません。
そこで今回は、なぜ赤ちゃんの血液検査をしなくなったのか、血液型を知らないと困ることはあるのか、赤ちゃんの血液型を知るにはどうすればいいかについてお伝えします。

出生時に赤ちゃんの血液検査をしない理由

昔は、赤ちゃんが生まれると血液検査を行われており、退院するときには血液型がわかっているものでした。しかし、「大人になったら血液型が変わった」などという声からもわかるように、赤ちゃんのときの血液検査は正確とは言い切れません。血液の病気で骨髄移植をした場合などを除けば、人間の血液型が成長過程で変化することはあり得ませんので、赤ちゃんのときの検査結果が誤っていたということになるのです。
これは、検査の方法に問題があるのではなく、赤ちゃんのときに血液検査を行っても確定できないという現実があるため。ある程度成長してからでないと、正確な血液型を確定できないので、近年は、あえて検査を行わなくなったとされています。

赤ちゃんのときに血液検査を行っても確定できない

血液型を知らないと困ることはある?

ママパパからしてみれば、血液型を知らないと困ることもあるのでは?と不安になるかもしれませんが、結論から申し上げると、とくに困ることはありません。
血液型の情報が必要となる場面を2つ想定して、詳しくみてみましょう。

保育園・幼稚園の提出書類に記載する場合

保育園や幼稚園などへの提出書類には、血液型を記入する欄が設けられていることがあります。その際、血液型を記入しなくても何の問題もありません。正直に「不明」と書けばよいのです。

血液型がわからない場合は「不明」と書けばよい

輸血が必要になった場合

万が一輸血が必要になった場合、赤ちゃんの血液型がわからないと処置が遅れるのでは?と不安に思うかもしれません。しかし、実際に輸血が必要になった場合、ママパパからの申告があったとしてもその場で血液型を調べることになっています。
これは、単に思い込みによる血液型の相違をさせるだけのものではありません。輸血の際には、ABO型の違いに加えてRhなどの分類が必要ですし、それ以外にも輸血に注意が必要な血液であるケースも考えられます。もしも体に合わない輸血を行った場合は命に関わることがありますので、必ず事前に調べることになっているのです。

体に合わない輸血を行った場合命に関わることがある

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赤ちゃんの血液型を検査したい場合

では、赤ちゃんの血液型を知りたいというママパパに向けて、検査できる場所やかかる費用、検査に適した年齢についてご説明します。

検査できる場所

赤ちゃんの血液型を知りたいという場合、かかりつけの小児科でも検査は可能です。小児科の規模によっては、外部の検査機関に血液を送って調べてもらうことが多いため数日の時間がかかりますが、アレルギー検査などを行うタイミングでお願いしてみるとよいでしょう。

アレルギー検査などを行うタイミングで血液検査をしてみる

検査にかかる費用

治療のために必要な血液検査でないと健康保険は適用されませんので、ママパパの希望で検査するような場合、費用は全額実費です。多くの場合、数千円程度のことが多いようです。なお、アレルギー検査のタイミングで血液型検査を依頼するような場合でも、費用は別途発生します。

治療のために必要な血液検査でないと健康保険は適用されない

検査に適した年齢

赤ちゃんの頃に血液検査しても正確な血液型は確定できないとお伝えしましたが、では何歳なら正確な判断ができるのか、気になりますよね。1歳を過ぎれば検査できるという声もありますが、できれば4歳以上と言われており、理想としては小学生になる頃まで待ったほうがよいとされています。あまり急いで血液検査を受けても、また検査をし直さなければならないかもしれませんので、赤ちゃんの負担を減らすためにも少し我慢したほうがいいかもしれませんね。

理想としては小学生になる頃まで待ったほうがよい

両親の血液型からわかる赤ちゃんの血液型

赤ちゃんの血液型は、ママパパの血液型がわかればある程度特定できます。以下の表を見てみましょう。

両親の血液型からわかる赤ちゃんの血液型

それぞれの血液型がぶつかる部分が赤ちゃんの血液型です。A型にはAAとAO、B型にはBBとBOの2種類がありますので、どちらかわからない場合には、おじいちゃんおばあちゃんの血液型に遡ってみるとよいでしょう。
なお、ママパパのどちらかがAB型だった場合でも、まれにO型の赤ちゃんが生まれることがあります。これは、「シスAB型」という血液型があるため。一般的なAB型を「トランス型」と呼ぶのに対し、ABO式ではあり得ない形でのAB型を「シス型」と呼びます。あえてシス型であるかを調べるケースはないので、知らずに大人になっている人もたくさんいます。特殊な病気ではなく、健康にも影響はありませんので気にする必要はありませんが、こんなこともあるという程度に知っておいたほうがいいかもしれませんね。

ママパパのどちらかがAB型だった場合まれにO型の赤ちゃんが生まれる

まとめ

今回は、産院で血液型検査を行わなくなった理由や、血液型を知らないと困ることがあるか、赤ちゃんの血液型を知るにはどうすればいいかについてお伝えしました。赤ちゃんの血液型は、ある程度成長してからでないと確定できません。とくに、血液型を知らないことによる不都合はありませんので、何かのタイミングで一緒に調べればいいか…と考えてみてはいかがでしょうか。