唾液アミラーゼとは?働きやストレス・体型との関係について解説

唾液アミラーゼとは?働きやストレス・体型との関係について解説

唾液アミラーゼを知っていますか?唾液アミラーゼとは唾液に含まれる消化酵素のひとつで、ストレスや体型とも関わりがあるとして、注目をされている成分です。
今回は、唾液アミラーゼの働きや仕組み、そしてストレスと体型との関係について解説します。

唾液アミラーゼとは

唾液アミラーゼとはその名前のとおり、唾液に含まれる成分を指し、消化酵素のひとつです。どんな働きがあるのか、詳しく見ていきましょう。

唾液アミラーゼの働き

食べ物の消化を助ける

食べ物にはでんぷんが含まれています。唾液アミラーゼでんぷんを糖に変えることで、胃腸での消化吸収を助ける役割を担っているのが特徴です。もし唾液アミラーゼがなければ消化がうまくなされず、胃腸への負担が大きくなってしまうことでしょう。

食べ物の味を感じやすくする

唾液アミラーゼの働きによって、でんぷんが糖に変わることで私たちは甘みを感じ、「おいしい!」と食欲が増えていきます

口の中を清潔に保つ

さらに口腔衛生上の効果も見逃せません。食事をすると歯の上に、でんぷんのカスが付着します。唾液アミラーゼが歯の上に付着したでんぷんカスを分解してくれるため、口の中を清潔に保つことができるのです。

口の中の健康を保つ

唾液アミラーゼは口腔内や歯を覆うことで細菌による感染、摩耗などを防いでくれます。また組織修復といって、口に中にできた傷を治してくれる役割も持っているのです。口の健康を保つために欠かせない成分であることが分かります。

そもそも唾液はなぜ出るの?仕組みは?

唾液は口腔内にある唾液腺から分泌されます。大人の場合で1日1~1.5リットルも分泌されますが、そのときの体調や年齢によって量は異なります。特に夜間は日中と比べて分泌量が減少するため、唾液による健康面への働きも低下してしまうでしょう。
唾液をたくさん分泌させるために大切なのが、水分補給と口をしっかり動かすことです。水分は少しずつ、こまめに摂取するようにしてください。また舌を前後左右に動かす、たくさん話す・笑う・歌うなども、唾液の分泌促進におすすめですよ。

唾液の分泌促進には

唾液アミラーゼの濃度で、ストレス状態をチェックすることが可能

現在は唾液アミラーゼでストレス状態をチェックできます。人間には興奮を司る交感神経と、リラックスの役割を果たす副交感神経の2つがあります。
ストレスが高まると交感神経が優位となり、心拍数や血圧が上昇するのが特徴です。交感神経が高まって興奮状態となると唾液アミラーゼ分泌量も増加するため、唾液アミラーゼの数値でストレスがたまっているかどうかを計測できるということですね。
計測するための専用モニターを使用し、シートに唾液を摂取したらモニターに装着するだけで、誰でも簡単にストレスチェックができます。毎日測定をすることで、ストレスがどのように変化をしているのかを把握できるでしょう。

ストレスが高まると唾液アミラーゼの分泌量が増加

赤ちゃんのストレスチェックにも使われている!

生まれたばかりの赤ちゃんは当然のことながら、まだ言葉を話すことができません。毎日のお世話が赤ちゃんにどのくらいストレスを与えているかを、ママやパパが客観的に理解するのは難しいですよね。
以前テープ型とパンツ型のおむつが、赤ちゃんにどのくらいのストレスを与えているのかについて研究をした企業がありました。そのときに用いられたのが唾液アミラーゼ値の測定です。
結果はハイハイ期ではパンツ型のおむつが、テープ型と比べてストレスが低いとなりました。言葉が分からなくても、ストレスを抱えているかどうかを確認できるのはすごいですね。

ハイハイ期ではパンツ型がテープ型と比べてストレスが低い

唾液アミラーゼが多い人は太りにくいという研究結果も

唾液アミラーゼが多い人は太りにくいという研究結果もあります。ある研究ではクラッカーを食べて30秒以内に甘さを感じる人は太りにくく、反対に甘さを感じるまでに30秒以上かかる人は太りやすいとの報告がありました。
前述したように唾液アミラーゼにはでんぷんを糖に変え、甘みを感じさせる働きがあります。つまり、クラッカーを食べてから短時間で甘みを感じる人は、唾液アミラーゼの分泌量が多いということです。

短時間で甘みを感じる人は唾液アミラーゼの分泌量が多い

そして唾液アミラーゼの量が少ないと、すい臓でインスリンと呼ばれる血糖値を下げるホルモンがたくさん分泌されます。インスリンは中性脂肪を作る役割も持っているため、太りやすくなってしまうのです。
また日本人は外国人と違って、米を食べても太りにくい体質であるといわれています。日本人などでんぷんを普段から食べる習慣がある民族のアミラーゼ遺伝子は平均して7個に対し、あまり摂取しない民族のアミラーゼ遺伝子は平均して4~5個という報告もありました。
日本人の主食は米です。実に3千年も前から食べられ続けてきました。そのため体質的にでんぷんを糖に変換させる必要が生じ、唾液アミラーゼの分泌量が増加したのでしょう。

日本人は外国人と違って米を食べても太りにくい体質

まとめ

唾液アミラーゼは唾液に含まれている消化酵素のひとつです。でんぷんを糖に変えることで、胃腸での消化吸収を助けてくれます。
またストレスとも大きな関係を持っており、専用モニターを使用してストレス状態をチェックすることも可能です。言葉が話せない赤ちゃんのストレスも分かるのはおもしろいですね。