ポリソルベート20とは?効果・効能や安全性について解説

ポリソルベート20とは?効果・効能や安全性について解説

ポリソルベート20は、界面活性剤として非常に多くの化粧品に採用されています。その使用実績は60年以上にも及ぶため、親から子、そして孫の世代へと、三世代にわたって知らぬ間に引き継ぎ、使用を続けている可能性も考えられる成分です。
ポリソルベート20はなぜそこまで長きにわたって化粧品成分として使われてきたのでしょうか。気になる効果・効能についてまとめるだけではなく、赤ちゃんでも問題なく使用できる成分なのかどうか、安全性に関する情報も詳しくお伝えします。

ポリソルベート20とは

ポリソルベート20とは、ソルビタン脂肪酸エステルの一種であるラウリン酸ソルビタンに対し、酸化エチレンを付加重合することで得られる非イオン界面活性剤です。医薬部外品として表示される際には「モノウラリン酸ポリオキシエチレンソルビタン」という言葉が使われています。
2105年の配合状況調査によると、3,000種類を超える化粧品成分としてポリソルベート20が使用されています。リーブオン製品(付けっぱなしの化粧品)、リンスオフ製品(洗い流す化粧品)のどちらにも満遍なく配合され、赤ちゃん用に作られている化粧品への使用歴も目立ちました。

ポリソルベート20とは

ポリソルベート20はどんな化粧品に含まれている?

ポリソルベート20は乳化、あるいは可溶化のために用いられる成分です。乳化とは、交じり合わない2つ以上の水分を均等に分散させる効果のことであり、可溶化とは、水や油に溶けにくい成分を溶かし込ませる効果のことを表しています。
このような2つの特徴を持つことから、キンケア化粧品やボディソープ・ハンドソープ、シャンプー、入浴剤、フレグランスなどの多種多様な製品にポリソルベート20が含まれています。配合成分の良さを引き出す調整役としての役割を期待され、たくさんの製品に採用されているのです。

ポリソルベート20に配合されている化粧品

ポリソルベート20の効果・効能

前述したとおり、ポリソルベート20から期待できる効果は乳化と可溶化という2点です。この2つの基本的な効果は先ほどお伝えしたものと同じですが、乳化に関しては親油性の強いものか、親水性の強いものかに分かれます。ポリソルベート20がどちらのタイプなのかを含めて、これから詳しく解説しましょう。

親水性の高い乳化剤として使われる

親水性と親油性のどちらに属するのかを示す単位に「HLB」というものがあり、この数値が0に近いほど親油性を持ち、20に近いほど親水性を持ちます。ポリソルベート20の場合は16.7というHLB値を持っており、非常に親水性の高い乳化剤としてあらゆる化粧品に用いられています。
水に溶けやすいという特性を持つことが、入浴剤やフレグランスなどのサラサラした液体状の製品にポリソルベート20が多く用いられる理由の一つです。身近にあるもので例えると、牛乳や生クリームといった品が、ポリソルベート20と同じ親水性の高い成分と言えます。

親水性の高い乳化剤としてあらゆる化粧品に用いられている

可溶化を実現させる成分としても用いられる

HLB値が16.7という親水性の高い数値を持っていることから、化粧品成分を水に溶かす作用、すなわち「可溶化」を実現させる成分としてもポリソルベート20が使われます。たとえば色素、香料、有効成分などを水に溶かし込むための調整剤として、ポリソルベート20が活躍しているのです。
たとえばフレグランスの場合、水分に近い状態でなければ機能を発揮できませんが、中にはドロドロとしていて水に溶けず、ムラを生み出す色素や香料があります。こういった素材をなじませて一つにまとめ、製品として成り立たせる効果に期待され、ポリソルベート20が広く使われているのです。

色素、香料、有効成分などを水に溶かし込むための調整剤として活躍

ポリソルベート20の安全性

ポリソルベート20は多数の化粧品、さらに肌に吹きかけて使うフレグランスにも配合されることのある成分なので、安全性については気になるところです。結論から言えば、本成分は赤ちゃんが使用しても安全な成分と判断できます。その理由について、根拠を含めながらかみ砕いて解説していきましょう。

ヒト試験により刺激性の少なさが実証されている

ポリソルベート20は、皮膚刺激性と皮膚感作性において、繰り返しヒト試験が行われてきた成分です。とくにアレルギー反応のテストに関しては100人規模の試験が行われていますが、いずれもごく僅かな人数に軽度な刺激が見られたのみで、それ以上の皮膚感作の兆候は確認されませんでした。
皮膚刺激性についても、確認できるだけで5回の有効な試験が行われてきました。中には軽度な刺激が見られたという報告もありますが、ポリソルベート20を濃度100%で使用した試験において、被験者となった50人全員に非刺激性が確認されるなど、安心できるデータがそろっています。

ヒト試験により刺激性の少なさが実証されている

厚労省による規格をクリアできている

薬添規2018規格をクリアした成分が収載される医薬品添加物規格2018、外原規2006規格をクリアした成分が収載される医薬品添加物規格2006の両方にポリソルベート20が収載されています。これにより、ポリソルベート20は厚労省が認める安全基準をパスした成分ということがわかりました。
さらに、ポリソルベート20は1960年代から我が国の化粧品成分として多用されてきた成分です。現在に至るまでアレルギー、あるいは重度な皮膚刺激に起因するトラブルの報告例はなく、これも安全に使用できると判断するに値する材料の一つとなります。

厚労省による規格をクリアできている

ポリソルベート20を使用する際の注意点

ポリソルベート20は安全な成分ですので、使用上の注意を守ればまったく心配なく使用できる成分です。ただし、何らかの事情で使用を避けたいという場合、本成分は以下の原料名の構成成分として使用されているため、以下の原料を含む商品の購入は見合わせましょう。

ポリソルベート20を使用する際の注意点

まとめ

ポリソルベート20は、3,000種類を上回るほど多くの化粧品成分として利用されている成分です。乳化剤として、あるいは可溶化のために使われることがほとんどで、水に溶けにくい成分を溶かし、分散させるなどの効果を発揮します。
厚労省が定める基準をクリアしているほか、皮膚刺激性などのヒト試験の結果も良好です。約60年間に及ぶ使用実績においても、重大なトラブルを招いた歴史はなく、赤ちゃんから大人まで安心して触れられる成分と評価できます。