赤ちゃんのうつ伏せは危険?赤ちゃんをうつ伏せにするメリットと危険性について解説
赤ちゃんの身体は小さくデリケートなため、大人であれば何ともないことであっても、赤ちゃんにとってはそうでないことが多々あります。たとえば、うつ伏せの姿勢ひとつとっても、赤ちゃんに与える影響に賛否両論の意見があります。
そこで今回は、赤ちゃんのうつ伏せ姿勢に着目し、赤ちゃんをうつ伏せにするメリットや危険性について解説を行います。
赤ちゃんのうつ伏せ練習は行うべき?
赤ちゃんに、うつ伏せの姿勢をとらせることには、賛否両論の意見があります。賛成側の意見としては、後に詳しく解説しますが、赤ちゃんの発育を促進すると考えられているからです。一方、否定側の意見としては、うつ伏せ姿勢には危険が伴うということが挙げられます。
どちらも意見も、大切な赤ちゃんを思った意見のため、否定できませんが、一般的には生後すぐのうつ伏せ姿勢はおすすめできません。生後すぐの赤ちゃんは、まだ生まれてきた環境にも慣れていないため、1ヶ月程度は環境に慣れさせてあげることが大切です。
赤ちゃんをうつ伏せにするメリット
赤ちゃんをうつ伏せにすることによるメリットは、赤ちゃんの育成を促進できることです。
普段の赤ちゃんは常に仰向けの状態で生活をしています。そのため、うつ伏せにすることにより、赤ちゃんの置かれている状況に変化をもたらせるのです。赤ちゃんは変化に対応するために発育が進むため、うつ伏せの姿勢は赤ちゃんの発育を促進させるといわれています。
一般的には、赤ちゃんの首がすわるのは生後3~4ヶ月といわれていますが、うつ伏せにさせることによって赤ちゃんの発育が促進され、首が早くすわる傾向にあります。
うつ伏せの姿勢にしたとき、首に力が入っていないと頭が地面にぶつかってしまいます。それを回避するために、頭を首で支えることが必要です。そのため、首に力をいれる練習ができ、結果的に首がすわることにつながるのです。
赤ちゃんも大人と同様に母乳やミルクを飲んだ後にはげっぷをします。
しかし、赤ちゃんはうまくげっぷが出せないときもあるため、圧迫感からぐずってしまったり、夜であればなかなか寝てくれなかったりすることもあります。そこで、赤ちゃんにうつ伏せの姿勢をとらせることにより、仰向けのときの圧迫感から解放され、げっぷが出やすくなるのです。
げっぷが出ないことによる圧迫感から解放されることにより、落ち着いて食後の時間を過ごすことができます。
赤ちゃんは本来仰向けで寝ているため、視線は常に天井を見つめています。顔を横に向けることによって、視野は広がりますが、それでも入ってくる情報量は多くありません。そこで、うつ伏せの姿勢をとらせることにより、仰向け時と比較して赤ちゃんの視野は大きく広がります。そのため、入ってくる情報量も増え、赤ちゃんの興味、関心を引き出すのです。
興味や関心は、赤ちゃんの発育を促し、寝返りやハイハイにつながります。これは、寝返りやハイハイで、興味や関心を持った場所や物の所まで行こうとするためです。
また、うつ伏せの姿勢は、普段の仰向けの姿勢とは異なる筋肉を使うため、さらに赤ちゃんの発育が促進されます。
赤ちゃんをうつ伏せにする危険性
赤ちゃんをうつ伏せにすることは、赤ちゃんの発育を促すことにつながるなどメリットはいくつもあります。しかし、うつ伏せの姿勢には危険も多く伴うのです。赤ちゃんをうつ伏せにする際の危険性をしっかりと理解し、安全に育ててあげましょう。
赤ちゃんをうつ伏せにすると窒息の原因になることがあります。これは、クッションやタオルケットなどによって口が塞がってしまうことが原因です。赤ちゃんは首の筋肉が未発達であり、頭を持ち上げることが困難な場合があるため、口が塞がってしまうのです。
また、物理的な窒息だけでなく、乳幼児突然死症候群の原因になる恐れもあります。乳幼児突然死症候群は、うつ伏せの姿勢で発症する確率が高い傾向にあるため、赤ちゃんの変化に敏感に対応してあげることが大切です。
赤ちゃんのうつ伏せ練習を行う際のポイント
うつ伏せの姿勢は赤ちゃんの発育を促すことが期待されているため、練習をさせようと思う親もいるのではないでしょうか。しかし、赤ちゃんの発育スピードには個人差があるため、他の赤ちゃんがやっているから、練習をさせるというのは好ましくありません。赤ちゃんに合わせて、練習をさせてあげましょう。
赤ちゃんにうつ伏せの練習をさせる際には押さえるべきポイントがいくつかあります。それらをしっかりと押さえて安全に練習を行いましょう。
生後すぐのうつ伏せ練習はおすすめできません。生まれたばかりの赤ちゃんは、生まれてきた環境にも慣れていないため、その状態でうつ伏せの練習をさせることは負担が大きいと考えられるためです。練習をさせる際には、生後1ヶ月を過ぎてから検討するようにしましょう。
赤ちゃんの発育スピードは、それぞれ異なります。そのため、他の赤ちゃんがうつ伏せの練習をしているからという理由で、無理に行うのは止めましょう。
また、赤ちゃんをうつ伏せにした際、赤ちゃんがいやがる仕草をする場合にも、無理に続ける必要はありません。赤ちゃんの様子を見ながら練習を進めてあげましょう。
赤ちゃんを心配しているからとしても、柔らかいクッションの上でうつ伏せの練習をさせるのはやめましょう。
赤ちゃんは筋肉が未発達で、頭を首で支えることが困難な場合があります。そのため、頭が下を向いてしまうことがありますが、そのとき、柔らかいクッションの上だと頭が沈み込み口を塞いでしまいます。
重大な危険につながる恐れがあるため、柔らかいクッションの上での練習はやめましょう。
赤ちゃんは想像を超えた行動をすることがあります。そのため、うつ伏せの練習を行う際は、絶対に赤ちゃんから目を離してはいけません。赤ちゃんの安全を守るためにも、手の届く範囲で練習を行いましょう。
うつ伏せの姿勢は、授乳後のげっぷを出しやすくすることが期待できますが、授乳後すぐの練習はおすすめできません。
赤ちゃんの胃の形は、未発達のため大人とは異なります。そのため、母乳やミルクを飲んだ後すぐにうつ伏せにしてしまうと、胸が圧迫され、戻してしまうことがあります。
食後すぐの練習は避け、少し時間を空けてから練習をさせるようにしましょう。
まとめ
赤ちゃんにうつ伏せの練習をさせることには賛否両論ありますが、どれも赤ちゃんを思っての意見といえます。うつ伏せの姿勢は危険があるといわれる一方で、発育を促すともいわれています。
赤ちゃんにうつ伏せの練習をさせる際には、やり方に注意し、赤ちゃんの発育に合わせた方法で行うことが大切です。赤ちゃんの健康的な発育のためにもさまざまなことに配慮してあげましょう。