赤ちゃんの体重の目安は?増えない・増えすぎの場合の対処法もあわせて
赤ちゃんの体重は、増えなくても増えすぎても心配ですよね。とくにはじめての赤ちゃんの場合は、何もわからなくて不安な気持ちでいっぱいだと思います。
今回は、赤ちゃんの体重が安定せず不安なお父さんお母さんに、年齢別の平均的な体重や増えない・増えすぎたときの原因と対処法、さらには理想的な測定タイミングを紹介します。最後まで読めば、どのような場合が安心で、どのような場合が病院に受診すべきかわかります。
赤ちゃんの体重の目安はどれくらい?
「無事に赤ちゃんが生まれてホッと一息」といきたいところですが、赤ちゃんは生まれてからのほうが大変です。健全に成長しているか、身体に悪い場所はないかなど心配は尽きないでしょう。
赤ちゃんの適切な成長具合を測るものに「乳児身体発育曲線」(出典:厚生労働省)というグラフがあります。これは母子健康手帳に記載されているもので、赤ちゃんの体重と身長の目安がひと目でわかるものです。出生から1歳になるまでの期間が書かれているため、月ごとの標準的な発育の目安を把握するのに役立ちます。
乳児身体発育曲線は、「パーセンタイル」という数値で表されており、100%のうち小さい方あるいは大きい方から数えて何%に当たるかという判定が可能です。対象の範囲に帯グラフがついており、この範囲内であればひとまず心配ないということです。ただし、たとえ範囲内でなかったとしても、赤ちゃんは成長差が大きいため心配しすぎも禁物です。およそラインに沿って成長していれば安心してよいでしょう。
さて、乳児身体発育曲線のもととなるデータに「乳幼児身体発育調査」というものがあります。これは厚生労働省がおよそ10年に1度行うもので、現在は平成22年に行われたものが最新です。
下記では、このデータをもとに男女の平均身長と平均体重を表にしています。
<女の子の平均体重・身長>
平均体重 | 平均身長 | |
---|---|---|
出生時 | 2.91kg | 48.3㎝ |
生後1ヶ月~2ヶ月未満 | 4.46kg | 54.5cm |
生後2ヶ月~3ヶ月 | 5.42kg | 57.8cm |
生後3ヶ月~4ヶ月 | 6.16kg | 60.6cm |
生後4ヶ月~5ヶ月 | 6.73kg | 62.9cm |
生後5ヶ月~6ヶ月 | 7.17kg | 64.8cm |
生後6ヶ月~7ヶ月 | 7.52kg | 66.4cm |
生後7ヶ月~8ヶ月 | 7.79kg | 67.9cm |
生後8ヶ月~9ヶ月 | 8.01kg | 69.1cm |
生後9ヶ月~10ヶ月 | 8.20kg | 70.3cm |
生後10ヶ月~11ヶ月 | 8.37kg | 71.3cm |
生後11ヶ月~12ヶ月 | 8.54kg | 72.3cm |
<男の子の平均体重・身長>
平均体重 | 平均体重 | |
---|---|---|
出生時 | 2.98kg | 48.7㎝ |
生後1ヶ月~2ヶ月未満 | 4.78kg | 55.5cm |
生後2ヶ月~3ヶ月 | 5.83kg | 59.0cm |
生後3ヶ月~4ヶ月 | 6.63kg | 61.9cm |
生後4ヶ月~5ヶ月 | 7.22kg | 64.3cm |
生後5ヶ月~6ヶ月 | 7.67kg | 66.2cm |
生後6ヶ月~7ヶ月 | 8.01kg | 67.9cm |
生後7ヶ月~8ヶ月 | 8.30kg | 69.3cm |
生後8ヶ月~9ヶ月 | 8.53kg | 70.6cm |
生後9ヶ月~10ヶ月 | 8.73kg | 71.8cm |
生後10ヶ月~11ヶ月 | 8.91kg | 72.9cm |
生後11ヶ月~12ヶ月 | 9.09kg | 73.9cm |
成長スピードは赤ちゃんそれぞれのペース
前述のとおり、赤ちゃんの成長スピードには個人差があります。「赤ちゃんのときはとても小さかったのに、中高生になれば大柄な体格になった」といったことも頻繁にあります。つまり、すべての赤ちゃんが乳児身体発育曲線に当てはまるわけではないのです。
とはいえ、赤ちゃんの成長が周りの子よりも大幅に遅れていたらやはり心配ですよね。下記で、体重の増え方のタイプを紹介します。大きく分けて3つの種類があり、それぞれに異なる特徴があります。こちらを見れば、少しは安心していただけるのではないでしょうか。
上記3つのタイプにおいて、体重変化のタイミングが生後半年というのには理由があります。それは離乳食の開始によるものです。母乳やミルクが苦手であまり飲めなかった赤ちゃんが、離乳食の開始とともに急激に成長するのはよくあることです。心配しすぎず、落ち着いて関わっていきたいですね。
赤ちゃんの体重が増えない・増えすぎの場合はどうしたらいい?
赤ちゃんの発育には個人差があるとはいえ、気をつけなければならないタイミングもあります。ここでは、体重が増えない場合・増えすぎている場合に分けて解説します。
赤ちゃんの体重が安定して増えていかない場合は、いくつかの原因が考えられます。
1つ目は栄養不足です。母乳の量が少なかったり、赤ちゃんがしっかり飲めていなかったりすることが考えられます。授乳の回数や乳首の含ませ方など再考してみましょう。
2つ目は、赤ちゃんのカロリー消費量が多いことが挙げられます。しっかり授乳しており、排泄も毎日あるのに増えないということなら可能性は高いです。
最後は、病気です。たとえば低体重児で生まれた場合や先天性の病気がある場合は要注意。病院に受診して検査してもらいましょう。
ここまでさまざまなケースを見てきましたが、対処法はあるのでしょうか。一番大きな問題である栄養不足は、ミルクで補うのが妥当です。定期的に与え続けることで、不足することなく過ごせます。飲んでも飲んでも吐いてしまう場合は、早めに医療機関で受診するようにしましょう。
体重が増えすぎている場合は、増えない場合ほど深刻ではありません。ただし、体重が増えすぎてしまうからといって授乳やミルクの量を控えるのは好ましくありません。ミルクを欲しがっているときは、我慢させずに飲ませてあげましょう。ただし、十分に量を飲んでいるにもかかわらず欲しがる場合は、癖になっている可能性があるため、おしゃぶりなどで対処しましょう。
赤ちゃんの体重の測り方
最後に、赤ちゃんの体重の測り方についてご説明します。
赤ちゃんの体重を測る頻度は月に1度くらいが目安です。その際、母子手帳の該当欄などに記載して、日々の成長を感じ取るとよいでしょう。しかし、体重計が自宅にないという方もおられるでしょう。その場合は体重計をレンタルしたり、小児科や商業施設のベビースケール、保健所などで計測したりすることが可能です。
赤ちゃんの体重を測るタイミングは、授乳直後でなく、排泄(はいせつ)のあとで、落ち着いているときがオススメです。これは大人にも言えることなので、基本的に何もない状態で測るのがよいです。
まとめ
赤ちゃんが生まれたばかりの頃は心配なことも多いですよね。とくに身長・体重は赤ちゃんの健康に直接関わることなので、なおさらでしょう。
本記事でも述べたように、赤ちゃんの発育速度は個人差があります。生後半年までに劇的(げきてき)に発育する場合や後半にかけて伸びていく場合などさまざまです。お父さんお母さんは、あまり焦る(あせる)ことなく、赤ちゃんの成長を冷静に見守っていきましょうね。
もちろん、異変を感じたら病院に受診することも重要です。本記事を参考にして、成長を見守っていただけると幸いです。