妊婦の温泉はOK?入れる時期や注意点、おすすめの楽しみ方を紹介
ストレスや体の調子が悪くなると入りたくなる温泉。「赤ちゃんが生まれたらゆっくりできないから…」と温泉でのんびりしたいと考えている妊婦さんも多くいます。しかし、妊娠中は、温泉に入っても良いのでしょうか。
今回は、妊娠中に安心して温泉に入るための注意点や楽しみ方を解説します。
妊婦が温泉に入っても大丈夫?
「妊娠中は温泉に入ってはいけないと聞いているから」と温泉入浴を諦めてしまう妊婦さんも多くいます。
確かに以前は、温泉旅館や入浴施設の脱衣場に「妊婦の入泉禁忌」などと書かれた温泉効能掲示板をよく見かけましたが、2014年の温泉法改正を行うにあたり根拠を検証したところ、危険だと裏付ける報告は1件もなかったことから、改正時に禁忌症から「妊婦の入泉禁忌」は除外されるようになりました。
このように、妊娠中の温泉入浴は、問題なく妊婦さんも温泉を楽しめます。産院によっては、妊婦さんの入浴や産湯に温泉を使うところもあるほどです。ラジウム温泉やラドン温泉などの放射能泉を含めたすべての泉質も妊婦さんの体に影響を与えるものではないとされています。
妊娠中、温泉に入れる時期
妊娠初期は、体調の変化やつわりなどにより体の不調が現れる時期です。実際に、妊娠初期は、流産しやすく妊婦全体の15%程度に上ると言われています。そのため、温泉だけに関わらず、環境が変わるような状態に身を置くことは控えたほうが良いとされています。
また、妊娠後期や出産間際になると、足元が見えづらくなることでの転倒や体調の変化、破水などの可能性もあります。温泉に入ること自体は問題ありませんが、妊婦さんは、体調が変わりやすいので、リスクを回避するために安定期の16週目から28週目くらいまでにしておくと安心です。
しかし、念のため、温泉に行くときは医師に確認してから行くようにしましょう。
妊婦が温泉に入る際の注意点
妊婦さんでも温泉を楽しめますが、注意すべき点もいくつかあります。
食事直後の入浴は、胃の働きを鈍くさせて具合が悪くなることもあります。そのため、食事直後の温泉入浴は避けて、1時間くらい間を開けるようにしましょう。
前述したように、妊婦さんは足元が見えづらいので、転倒する危険性があります。また、のぼせることで脳貧血を起こして気を失ってしまうことあるかもしれません。
そのため、温泉に入るときは、一人ではなく付き添ってくれる人がいると安心です。大浴場に入る場合は、早朝や深夜の人がいなくなる時間帯を避けるなどの工夫も必要です。露天風呂付き客室のプランを選ぶと家族もそばにいるので、心配することなく入浴できるでしょう。
温泉の温度が、42度以上、30℃以下だと血圧の変化が著しくなるので、注意が必要です。体が温まり、疲労回復におすすめの温度は42度以下と言われています。
温泉の泉質によっては、お湯が濁っていて足元が見えづらくなっていることもあります。また、浴場は滑りやすくなっているので、転倒に注意しましょう。温泉に入るときは、手すりにつかまることやゆっくり歩くことで転倒防止になります。
いくら温泉が気持ち良くても、長湯をすることは禁物です。のぼせないように長時間の入浴を避けて10分程度を目安にすると良いでしょう。また、温泉に浸かって体を温めた後は、湯冷めにも注意して風邪を引かないようにしましょう。
温泉浴そのもので感染症にかかることはありませんが、免疫力が低下する妊娠中は、少し注意したほうが良いでしょう。温泉のお湯から感染することはありませんが、体を洗うときに使用する椅子などから感染することもあるので、使う前にシャワーで洗い流してから座る、タオルの共有は避けるなどの予防策を取ると安心です。
妊娠中の肌はとてもデリケートです。また、体質が変わって以前は問題なかった泉質でも痒くなるようなことがあります。そんなときは、入浴を中断してシャワーで洗い流しましょう。温泉で温まった後は、すぐに保湿をしてください。
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温泉は妊婦にとってこんなメリットも!
では、妊娠中に温泉入浴をするメリットはどんなことがあるのでしょうか。
妊娠中は、ホルモンバランスや生活環境の変化など、さまざまな要因から気持ちが不安定になりイライラすることが多くなります。温泉には、気持ちを落ち着かせリラックスさせる効果もあるので、ゆっくりと温泉に浸かって気持ちを落ち着かせることはとても良いことです。
温泉には、普通のお風呂よりも長く体を温める効能があります。体が冷えやすく肩こりや腰痛の症状が出やすい妊婦さんは、温泉で体を温めることで冷え性対策になります。足湯だけでも効果が期待できるので、お湯に浸かることが難しい場合は、足湯を楽しんでみるのもおすすめです。
妊婦におすすめの温泉の楽しみ方
妊婦におすすめの温泉の楽しみ方として、ここでは2つ紹介します。
普段はあまり利用することのない家族風呂や露天風呂付きの客室を利用すると良いでしょう。妊娠中は、他人の目が気になるものですが、誰の目も気にすることのない家族風呂や露天風呂付き客室だとさらにリラックスできます。また、家族が見守ってくれる安心感もあります。
旅館やホテルによっては、「マタニティプラン」を用意しているところもあります。食事やアメニティーの充実をはじめ、妊婦さんに配慮してくれるプランだと安心して温泉を楽しめるでしょう。マタニティプランは妊娠中しか利用できないので、せっかくの機会を利用してみるのもおすすめです。
まとめ
妊娠中でも温泉に入ることはできます。事前に、医師の承諾を得て念のために母子手帳を持参しておけば、さらに安心して温泉を楽しめるでしょう。ストレスのたまりやすい妊婦さんだからこそ、ゆっくりと温泉を楽しんでみてはいかがでしょうか。