キシリトールとは?効果・効能や安全性について解説
ガムに配合されることが多い健康的なイメージのあるキシリトールという成分ですが、実は化粧品成分として用いられることもあります。現代の生活の中では、食品の一部として考えられることが多いキシリトールですが、化粧品としてはどのような役割に期待されているのでしょうか。
今回は、キシリトールが含まれる代表的な化粧品例や、キシリトールが化粧品に与える効果・効能などを解説していきます。また、気になる安全性についても深掘りし、赤ちゃんでも安心して使用できる成分なのかどうかについても確認しておきましょう。
キシリトールとは
キシリトールとは、多糖類の一種であるキシランという成分を基に作られる糖アルコールです。糖アルコールは一般的に「多価アルコール」として扱われることから、多価アルコールの一種としても認識されています。また、医薬部外品として使用される場合、名称が「キシリット」に変わることも特徴的です。
キシリトールは、人体の小腸において分解・吸収されることのない低カロリー成分です。砂糖を100とした場合の甘味度において、キシリトールは砂糖と同等の「100」というスコアを出しています。これはエリスリトールの80、ゾルビトールの60といった数値を大幅に上回る数字です。
少し変わった用途としては、軟膏を作るための基材に用いられたり、座薬を作る際の湿潤に用いられたりもします。いずれも成分そのものの水分と保湿力が欠かせない製品ですので、キシリトールが持つ特性は製品開発上とても都合が良いものになっているのです。
キシリトールはどんな化粧品に含まれている?
キシリトール=ガムというイメージが一般化されていますが、意外なことにキシリトールは化粧品成分として配合されることもあります。キシリトールには、皮表の水分量増加による保湿作用が備わっているため、この特性を生かせる化粧品に取り込まれることがあるのです。
たとえば、スキンケア化粧品やシートマスク製品などは、キシリトールを配合して作られる代表的な化粧品です。その他にもボディソープやハンドソープ、頭皮ケア製品などにキシリトールが含まれることもあり、多種多様な製品に含まれることでも知られています。
キシリトールの効果・効能
キシリトールを化粧品成分として使用する場合は、キシリトールが持つ保湿効果に期待が持たれることが一般的です。特筆すべきは冷涼感を兼ね備えることであり、肌につけた瞬間にひんやりとした感触が加えられることから、テクスチャーを改良することを目的に配合されるケースも珍しくありません。
キシリトールを配合した成分を塗布することにより、その箇所に水分を留めさせることが可能になり、そのまま保水効果を発揮してくれます。赤ちゃんにとって保水はとても重要なものですので、炎症などの肌トラブルを未然に防ぐためにも利用価値のある成分と言えるでしょう。
さらにキシリトールは、テクスチャー改良という効果をも発揮します。キシリトールは吸湿性と保湿性を備える成分としては珍しく、使用時にべたつきを感じることが少ない成分です。特に化粧水などは使用感の良さが人気にも直結しますので、キシリトールが頼られるケースも少なくありません。
キシリトールの安全性
続いてキシリトールの安全性について評価していきます。結論を先にお伝えすると、キシリトールは赤ちゃんから大人まで安心・安全に使用できる成分です。そのように評価できる根拠はいくつもありますので、順番に確認してみましょう。
厚生労働省が安全性を認める規格としては、主に2つの種類があります。まずは医療上の有効性と安全性が確認され、一定の基準を満たした成分が収載される「日本薬局方」、次が外原規2006規格を満たした成分が収載される「医薬部外品原料規格2006」です。
キシリトールは、この両方に収載されている成分です。医療行為においても安全に利用される成分であると公式に認められているため、安全性が高いことは言うまでもありません。さらにキシリトールは10年以上も化粧品成分に採用され、これまでに主だったトラブルが派生していないことも安心材料です。
キシリトールを肌につけて使用する場合に知っておきたいのは、アレルギーをはじめとする肌刺激性、あるいは眼刺激性の有無です。先ほどお伝えしたように、キシリトールは10年以上も化粧品成分として使われてきましたが、この間にアレルギー反応等を示したという報告例はありません。
皮膚刺激性や眼刺激性についても同様で、多くの愛用者から安全性に疑問を持たれるような事態が発生していないのです。キシリトールは食品にも添加されるため、粘膜にも密着することがありますが、このようなシチュエーションにおいても問題が起きることはありません。
キシリトールを使用する際の注意点
キシリトールはこれまでの使用歴を見れば安全であると判断でき、刺激性を指摘する声やアレルギーを発症したという報告例も皆無です。ただし、正確なヒト試験が行われた歴史はありません。この点は若干の不安材料です。
その他の成分の場合、動物試験やヒト試験によって理論を確かめ、本当に人体に異常が生じないかを確かめます。しかしキシリトールはこういった検査を受けた経歴のない成分ですので、ヒト試験により安全性が認められた成分と比べると、僅かに信頼性が下がるのです。
まとめ
キシリトールはガムに配合される成分として有名ですが、化粧品成分としても採用されることがあります。この場合に期待される効果は主に保湿性であり、化粧水などのクオリティを高めるための成分として、一部の商品の成分として採用されています。
キシリトールはヒト試験による安全確認が行われていないことが玉に瑕です。しかし10年以上にわたる運用履歴の中で、アレルギーや肌刺激・眼刺激があることは確認されておらず、食用として粘膜に密着させても問題が生じないため、赤ちゃんでも安心できる成分と評価できます。