ラフィノースとは?効果・効能や安全性について解説

ラフィノースとは?効果・効能や安全性について解説

オリゴ糖の一種であるラフィノースという成分には、保湿性能やバリア機能の改善作用が含まれています。これを期待してスキンケア化粧品など多くの製品にラフィノースが採用されているのですが、この成分は赤ちゃんが触れたとしても、肌トラブルなどを起こす心配のない成分なのでしょうか。
今回は、気になる安全性についてじっくりと迫ると同時に、ラフィノースが持つ効果・効能についてもかみ砕いて解説していきます。赤ちゃん用の化粧品に使われることはほとんどない成分ですが、万一ママから子へと間接的に触れたとしても安全なのかどうか、しっかりと確認しておきましょう。

ラフィノースとは

ラフィノースとは、ビートという甜菜の一部から抽出して得られるオリゴ糖です。さらに細かく成分を分解すると、D-ガラクトース、D-グルコース、そしてD-フルクトースという3種類に分けることができます。なお、ラフィノースが医薬部外品として使用されることはありません。
オリゴ糖を含む糖類は、ベタベタした質感と吸湿性の高さを併せ持つことが特徴的です。しかしラフィノースは例外的といえる成分であり、一般的な糖類と同じ高い保湿性を維持していながらもベタつきは感じにくく、さらっとしたテクスチャーを持つことが特徴となっています。

ラフィノース

ラフィノースはどんな化粧品に含まれている?

ラフィノースの効果・効能は次の項目で詳しくお伝えしますが、前もってラフィノースの強みを端的にまとめると、保湿効果とバリア改善作用を持ち合わせていることが特徴です。そのため、付けっぱなしにして使用するリーブオン製品に配合されることがほとんどです。
一例としては、スキンケア化粧品やボディケア製品、メイクアップ化粧品、日焼け止めなどを挙げられます。いずれもベタつききにくい質感が求められるため、ラフィノースとの相性に秀でているのです。一部の例外としては、洗顔料や洗顔石鹸の材料としてラフィノースが使われることもあります。

ラフィノースが配合される化粧品

ラフィノースの効果・効能

ラフィノースを使用することで得られる効果・効能の基本は、保湿とバリア機能改善という2点です。保湿は赤ちゃんにとって非常に重要なポイントで、しっかりと行うことで炎症などのトラブルを避けられます。詳しい効果について、項目ごとにより深くご紹介しましょう。

ラメラ構造に水分を閉じ込めて保湿効果を発揮する

角質の内部にある細胞間脂質は、セラミドやコレステロールといった、美容が好きな方にとってはとても有名な成分によって構成されています。資質で水分をサンドイッチするような特殊な構造のことを「ラメラ構造」と呼んでおり、ここに水分を与え続けることが効果的な保水につながるのです。

ラメラ構造

ラフィノースには、このラメラ構造の形成を促進する能力が備わっています。国内大手メーカーによる研究結果によると、ラフィノースのラメラ構造形成促進率は58.8%と、他の成分を圧倒する結果でした。あらゆる場所でラメラ構造を増加させることにより、皮膚に止まる水分量も増加することになるのです。

ラフィノースのラメラ構造形成促進率は58.8%と高い

ラメラ構造を増加させることでバリア機能の改善にも期待できる

ラメラ構造の増加に伴い、肌の水分量増加を実現させられることがラフィノースで最大の特徴です。これだけでも大きなメリットを感じられるのですが、ラフィノースが本領を発揮するのはこれからであり、このベースを生かしたバリア機能の改善にも期待できます。
大手メーカーによる研究では、ラフィノースを配合した化粧水を使用した場合と使用しなかった場合の比較が行われました。この結果、配合する側の化粧品を使用したグループには、テスト開始から3~6日の間までに、明らかな経皮水分蒸発量の減少が見られています。

肌の水分量増加を実現させバリア機能の改善にも期待できる

表面に近い場所の保水性が高いということは、肌のバリア機能を改善する効果が備わっているということでもあります。紫外線などのダメージを受けにくくするための対策としても、ラフィノースが有効性を発揮する可能性が認められているのです。

紫外線などのダメージを受けにくくする

ラフィノースの安全性

ラフィノースは医薬部外品として使用されることがないため、厚生労働省などが正式に安全性を認める何らかの資料に収載されることはありません。そのため安全性を見極めることは簡単ではないのですが、ここではラフィノースの使用実績を鑑みて、安全性が高いと結論付けます。

10年以上にわたって安全に使用されている

ラフィノースが安全であるという根拠は、過去10年以上にわたって安全に使用されてきたという実績を持つことです。ラフィノースはさまざまなシチュエーションで化粧品として使われてきましたが、アレルギー反応が見つかったというネガティブな報告例は1件も見当たりません

皮膚刺激性、眼刺激性においても同様です。ラフィノースを含む化粧品を使用している最中にかゆみ、赤み、発疹をはじめとするトラブルが起きたという報告例はありませんし、失明をはじめとする重篤な眼刺激が起きたり、眼病を招いたりといった問題も公表されていません。
このような点から、ラフィノースは赤ちゃんから大人まで安全に使用できる成分として評価できます。用法容量を守り、常識的な使い方をするように意識するだけで、あらゆるトラブルを回避できるものと考えられるのです。

ラフィノースを使用する際の注意点

注意点としては、皮膚刺激性やアレルギー性、眼刺激性を正確に研究したデータがないことです。ヒト試験や動物試験によるデータが一切なく、科学的根拠に乏しいことが難点といえます。きちんと研究された成分しか使いたくないという場合は、念のためラフィノースを避けましょう。

まとめ

ラフィノースはオリゴ糖の一種であり、糖類でありながらベタつきのないテクスチャーが特徴的です。化粧品成分として配合されるときには、保湿作用やバリア機能改善作用に期待されて、スキンケア化粧品などに配合されることが多くなっています。
安全性を科学的に示すデータはありませんが、ラフィノースは10年以上にわたって多くの人々から安心・安全に利用されています。アレルギーをはじめとする重篤なトラブルの報告例はなく、安心して使える成分といえるでしょう。