ソルビトールとは?効果・効能や安全性について解説

ソルビトールとは?効果・効能や安全性について解説

化粧品においては保湿剤として、それ以外では甘味料として使われる成分がソルビトールです。幅広い用途で使われるソルビトールは、肌に直接つけて使うばかりではなく、食用として体内に成分を取り込むこともありますので、安全性を正しく把握することが大切です。
ソルビトールという成分はどのようなもので、どんな化粧品に含まれることが多いのでしょうか。まずは効果や効能などの基本的な特徴を整理してみましょう。その上で、赤ちゃんでも安心して使用できる成分なのかどうか、安全性に鋭く切り込んでいきます。

ソルビトールとは

ソルビトールとは、単糖の一種であるグルコースを還元することによって得られる糖アルコールです。また、糖アルコールのカテゴリーは多価アルコールに属していることから、多価アルコールとして扱われることもあります。医薬部外品として使用される場合の名称は「ソルビット液」となることも特徴の一つです。
ソルビトールには、人間の小腸において分解や吸収がされないという特性があります。保湿性に優れていること、カロリーが低いこともソルビトールの大きな特徴として知られており、化粧品成分として採用される以外にも、食品添加物として使われることも多い成分です。

化粧品成分以外にも食品添加物として使われることも多い成分

ソルビトールはどんな化粧品に含まれている?

先ほどご紹介したように、ソルビトールには高い保湿性を持つという特徴があります。化粧品成分としてソルビトールが使用される際は、この特性を生かすことを意識した製品作りが行われており、スキンケア化粧品やメイクアップ化粧品に配合されるケースが目立っています。
その他にも、白濁してしまいがちな固形石鹸を透明化させる効果も備わっており、製品の見た目を良くするために使われることもあります。主にこの効果に期待してソルビトールが配合される製品としては、ボディソープやハンドソープ、石鹸を含む洗顔料などを挙げられます。

ソルビトール配合の化粧品

ソルビトールの効果・効能

ソルビトールに期待できる主な効果・効能は保湿性です。この性能については、1990年代に国内の大手化粧品メーカーが研究結果を公表しており、その他の成分と比較して数値化されています。具体的な効果・効能について詳しく見てみましょう。

PGやグリセリンに次ぐ吸湿性や保湿力がある

ソルビトールは保湿性の高さが注目されており、吸湿性に関する研究が国内大手メーカーによって行われています。これによるとソルビトールには、グリセリンとPGに次ぐ吸湿性が認められており、BGやDPG、ヘキサンジオール以上の効果を有することが判明しました。
さらに、相対温度50%、温度25度以下という条件でその他の保湿剤と比較した結果、ソルビトールにはグリセリンに勝るとも劣らない水分保持性があることがわかっています。皮膚を柔軟化させる効果も相乗効果を生み、保湿剤としての活躍に期待できる成分です。

PGやグリセリンに次ぐ吸湿性や保湿力がある

固形石鹸を透明化させられる

枠練り石鹸生地に対してソルビトールをはじめとする混合物を配合すると、石鹸の結晶化を抑えることが可能です。これによって成分の濁りをなくすことができ、固形石鹸を透明化させられます。この作用により、ソルビトールには特殊なコンセプトの製品開発に貢献するという特徴も見られました。

固形石鹸の結晶化を抑え透明化させられる

ソルビトールの安全性

現在、化粧品成分として使われる成分の多くは、ヒト試験などによる研究が進められています。その一方でソルビトールはヒト試験および動物試験による研究が認められず、これらの結果による数値から安全性を図ることはできません。しかし、以下の理由から、赤ちゃんが使用しても安全な成分と評価できます。

日本薬局方と医薬部外品原料規格2006に収載されている

医療上の有効性、そして安全性の基準を満たした成分が収載される日本薬局方に、ソルビトールはしっかりと収載されています。同様に外原規2006の基準をクリアしたことを示す医薬部外品原料規格2006に収載されていることも確認できました。
これらの結果は、厚生労働省による審査基準をクリアしていることを示すものであり、ソルビトールを安全に使用できる一番の根拠になります。しかも40年以上に及ぶ使用実績も備えており、この期間中に重大なトラブルを起こした経歴がないこともわかりました。

食品添加物として制限を受けずに使用できる成分である

アメリカのFDAが定めた規約によると、ソルビトールは食品添加物としての制限を受けることなく、自由に使用できる成分です。ソルビトールを食品に配合する際の使用上限はなく、多量を摂取したとしても体がダメージを受けることはないと判断されています。
これは、万一ソルビトールを含む何らかの化粧品成分が口の中に入ったとしても、それが少なくともソルビトール単体であれば無害であることを示す根拠です。赤ちゃんが誤って使用した場合でも問題が発生するとは考えられず、安全な成分といえます。

ソルビトールを使用する際の注意点

2012年、イタリアでオークションサイトを通じて「ソルビトール」と称する甘味料を購入し、それを摂取した女性が死亡するという事故が起きています。これが事実であれば極めて重大な問題ですが、ここでソルビトールとして売られた製品が、実は亜硝酸ナトリウムだったことが後に明らかになりました。
亜硝酸ナトリウムはソルビトールとはまったく違うものであり、過剰に摂取すると心血管疾病を引き起こす可能性があると指摘されています。これは極めて特殊かつ稀なケースですが、インターネットを通じてソルビトールを購入する際は、信頼できる販売ルートだけを利用することを心がけましょう。

インターネットで購入する際は信頼できる販売ルートを利用する

まとめ

ソルビトールには保湿力が備わっており、この特性を生かすためにスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などに配合されています。また、低カロリーの甘味料としても知られており、食品添加物に採用されることも多い成分です。
ヒト試験などによる有効な実験データはありませんが、ソルビトールは日本薬局方や医薬部外品原料規格2006にも収載される安全な成分です。アメリカのFDAでは制限なしで食品添加物として使用することも認めており、赤ちゃんでも安心して触れることができます。