シクロペンタシロキサンとは?効果・効能や安全性について解説
目次
- ・シクロペンタシロキサンとは
- ・シクロペンタシロキサンはどんな化粧品に含まれている?
- ・シクロペンタシロキサンの効果・効能
- ・シクロペンタシロキサンの安全性
- ・シクロペンタシロキサンを使用する際の注意点
- ・まとめ
シャンプーやメイクアップ化粧品などに使われる成分にシクロペンタシロキサンというものがあります。これは赤ちゃん用の商品に使われることもある成分ですが、一体どのような効果や効能に期待できるのでしょうか。
この記事では、シクロペンタシロキサンがもたらす効果に加えて、安全性についても解説します。成分が持つ特性をしっかりと把握しておき、安全に使える成分なのかどうかをチェックしておきましょう。
シクロペンタシロキサンとは
シクロペンタシロキサンとは、環状シリコーン油を指す言葉です。医薬部外品として使われる場合には「デカメチルシクロペンタシロキサン」という言葉が使われることもあります。化学構造としては5個のシロキサンが結合したものを表しており、低分子環状シロキサンの1種として分類される素材です。
シクロペンタシロキサンの特徴としては、常温で使用した際に揮発性に優れることに加えて、生分解性を持つことを挙げられます。地球環境や生態系への悪影響を与えない成分と考えられており、シリコーン溶剤としてあらゆる場面で活用される成分です。
シクロペンタシロキサンはどんな化粧品に含まれている?
シクロペンタシロキサンは、テクスチャー改良のためや、溶剤として使われる成分です。粘度が低いことも特徴の1つであることから、肌につけた際の感触にこだわりを持たれることが多いスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品に使われることが一般的です。
軽い仕上がりを持つことは、肌だけでなく毛髪に対してもメリットになることから、シャンプーやトリートメントなどに配合されることも珍しくありません。ファンデーションからコンディショナーまで、化粧品全般に使われる汎用性の高さも、シクロペンタシロキサンが持つ特徴の1つといえるでしょう。
シクロペンタシロキサンの効果・効能
化粧品としてシクロペンタシロキサンが使われる場合の用途は、テクスチャー改良と溶剤の2点に絞られることが一般的です。同様の役目を果たす成分がほかにもある中で、シクロペンタシロキサンが使用される理由とは何なのでしょうか。それぞれの項目について詳しく解説します。
シクロペンタシロキサンは、とくに化粧品成分との相溶性に優れた液体です。シリコーン油ではありますが、一般的に想像するような油とは感触が違い、サラサラした使用感を持つことが特徴です。そのため、テクスチャー改良効果に期待されて化粧品成分に加えられることが多い成分です。
化粧品を肌につけた際の伸びをよくする効果があるため、乳液や美容液をはじめとする基礎化粧品との相性が優れています。また、蒸発後にも撥水性を残すという特性を生かして、汗や水に強いことを売りにする化粧品に配合されることも珍しくありません。
暑くて汗をかきやすい時期などには、とくにシクロペンタシロキサン配合の化粧品を使用するとよいでしょう。メイクの仕上がりが重くならないことに加えて、汗による化粧崩れを起こす確率を下げられるため、本成分を配合させると化粧品のクオリティが高まるのです。
使用されることが多い化粧品としてもご紹介しましたが、ヘアコンディショナーなどのヘアケア製品にもシクロペンタシロキサンが使われています。これは成分が持つ撥水性により、髪の毛に素早くツヤを与えることができ、しかも軽い仕上がりを維持できるという作用に期待できるためです。
もう1つの効果として期待できるのが、溶剤としての役割です。撥水性のあるシリコーンを配合している成分の場合、皮膚に塗布するとシクロペンタシロキサンそのものはすぐに蒸発し、シリコーンを守る被膜として変化します。この作用もまた、汗や水に強い化粧品成分を引き立てます。
シクロペンタシロキサンの安全性
シクロペンタシロキサンは医薬部外品原料規格2006に収載されています。厚生労働省によって認められた成分と言い換えられるため、この段階で一定の安全性を見込めます。20年以上にわたる使用実績においても、重大なトラブルを引き起こした経験はありません。
皮膚刺激性については、確認できるだけで3件のヒト試験が実施されています。この試験によって、のべ300人以上が研究に参加することになりましたが、皮膚刺激性の陽性反応はほとんど見られず、認められたものも、被験者には知覚できない軽微な症状が低確率で発見されたのみでした。
また、過敏な皮膚を有する人物だけを対象としたヒト試験も実施されましたが、ここでも陽性反応は見られませんでした。眼刺激性に関しても、動物試験の結果、問題は一切示されないことがわかっています。成分が誤って目に入ったとしても、大きなトラブルに発展することはないでしょう。
シクロペンタシロキサンは酸化しない成分であるため、肌にダメージを与えるとも考えられません。赤ちゃんが使用したとしても肌に問題が起こる可能性はとても低く、安全に使用できる成分であると結論付けられます。
シクロペンタシロキサンを使用する際の注意点
シクロペンタシロキサンはメッシュ状の構造であることから、シリコーンでこそあるものの、皮膚呼吸を妨げるような問題を起こすことはありません。一方で肌や髪の毛につくと剥がれにくい性質を持つことから、成分が地肌に残留してしまう可能性があります。
有毒性は認められませんが、長時間にわたってシクロペンタシロキサンが皮膚に付着していると、肌荒れや炎症を引き起こす原因になることがあります。使用後はクレンジング剤などを使い、念入りに成分を落とすことを意識するとよいでしょう。
まとめ
シクロペンタシロキサンは、テクスチャー改良効果や溶剤としての作用に期待され、多くの化粧品成分として採用されています。赤ちゃん用の製品としても、オイルやクリームといった形で稀に使用されることのある成分です。
外原規2006規格をクリアし、20年以上使われ続けていることに加え、ヒト試験によって皮膚刺激性がないことも確認されています。したがって、安全に利用できる成分の1つとして結論付けられます。