セテアリルアルコールとは?効果・効能や安全性について解説
目次
- ・セテアリルアルコールとは
- ・セテアリルアルコールはどんな化粧品に含まれている?
- ・セテアリルアルコールの効果・効能
- ・セテアリルアルコールの安全性
- ・セテアリルアルコールを使用する際の注意点
- ・まとめ
化粧品などに配合される「セテアリルアルコール」という成分をご存じでしょうか?私たちの身近なアルコールと言えば「消毒液」や「お酒」やなので、なんとなくスースーする感触や洗浄作用を連想してしまいませんか?そうなると、赤ちゃんには刺激が強い成分のような気もしてしまいますよね。そこで今回は、セテアリルアルコールの効果や効能、安全性についてお伝えします。
セテアリルアルコールとは
セテアリルアルコールとは、一価アルコールのセタノールと、同じく一価アルコールのステアリルアルコールを混合した高級アルコールです。ただし、高級アルコールと言っても、その値段や濃度が高いという意味ではありません。
化学的に、アルコール分子中のヒドロキシ基が一つ結合したアルコールを一価アルコールと言いますが、その中で、炭素が6個以下のアルコールは低級アルコール、炭素が8個以上のアルコールは高級アルコール(脂肪族アルコール)に分類されるというもの。ちなみに、セタノールの炭素数は16、ステアリルアルコールの炭素数は18となっています。
そして、アルコールと言ってもエタノール(エチルアルコール)ではありませんので、ノンアルコールと表示されている製品にも配合されることがあります。「アルコールなのになぜ?」と思いますよね。それは、化学の領域におけるアルコールと、化粧品の成分としてのアルコールの考え方が異なるからです。
化学の領域においてのアルコールは複数存在しますが、化粧品の成分としてのアルコールはエタノール(エチルアルコール)のみです。そのため、エタノール(エチルアルコール)が配合されていなければ、必然的にアルコールフリーとなるというわけです。
なお、化粧品の成分としてはセテアリルアルコール、医薬部外品に配合される際には「セトステアリルアルコール」と表示されます。
セテアリルアルコールはどんな化粧品に含まれている?
セテアリルアルコールは、テクスチャーをよくする効果があることから、スキンケア化粧品やボディケア製品、ハンドケア製品、メイクアップ化粧品、洗浄製品、ヘアケア製品など、幅広く使用されています。また、赤ちゃん用のアイテムでは、ローションやクリーム、ボディソープなどにも含まれています。
セテアリルアルコールの効果・効能
では、セテアリルアルコールの効果や効能について見ていきましょう。
本来混ざり合わない2つの液体を混ぜ込むことを「乳化」と言い、その結果出来上がったものが「エマルション」というものです。このエマルションを一定の品質に保つためには乳化を補助する成分が必要なのですが、セテアリルアルコールはこの効果があります。なお、乳液やクリームなどのほとんどが乳化によって出来上がったエマルションです。
セテアリルアルコールには、ペースト状物質の柔らかさや流動性を調整する効果があるため、製品のテクスチャーをよくする目的でも使用されています。
セテアリルアルコールの安全性
米国化粧品工業会(CTFA)理事会によって、科学者の判断で化粧品成分の安全性を判定することを目的に設立されたCIR機構の化粧品成分総点検(Cosmetic Ingredient Review)によると、セテアリルアルコールについて次のような安全性データが得られています。
また、安全性の基準を満たした成分として「医薬部外品原料規格2006」および「医薬品添加物規格2018」に収載されていますし、10年以上の使用実績もあります。総合的に考えると、適切な配合量や使用方法の範囲であれば、安全性には問題ないと考えてよいでしょう。
セテアリルアルコールを使用する際の注意点
セテアリルアルコールは、基本的には赤ちゃんにも使用できます。しかし、そもそも赤ちゃんの皮膚はとても薄くてバリア機能が未熟ですよね。どんなに優しい成分で作られていても、場合によっては肌トラブルの原因となる可能性も考えておきましょう。
また、一つの製品には複数の成分が含まれていますので、セテアリルアルコール以外の成分が原因で肌トラブルを引き起こすことも考えられます。そのため、赤ちゃんが初めて使う製品は、必ずパッチテストをするようにしましょう。パッチテストとは、製品に含まれる成分に対して、赤みやかゆみ、かぶれなどが起こらないかを事前に調べるためのテストです。
パッチテストには複数のやり方がありますが、赤ちゃんの場合はより念入りに、3日間ほどかけて様子を見たほうが安心です。次にご紹介する方法を参考にしてみてくださいね。
お風呂上がりなどの肌が清潔なタイミングで、皮膚が薄くて敏感な二の腕の内側に製品を塗ります。
この段階で赤みやかぶれが出ている場合には、すぐに洗い流してパッチテストを終了してください。
翌日も入浴後の清潔な肌に製品を塗るということを繰り返して、3日間続けて異常がなければパッチテストは終了です。
3日間続けて異常がなければパッチテストは終了です。
なお、スキンケアアイテムのパッチテストでは、皮膚が薄い二の腕などに直接原液を塗りますが、せっけんやシャンプーのパッチテストの場合は原液をそのまま塗らないようにしましょう。この場合、原液を精製水で薄めたものを使用します。ガーゼに染み込ませて塗布するか、絆創膏のガーゼ部分に塗ってから貼ってあげてくださいね。
まとめ
今回は、セテアリルアルコールの効果や効能、安全性についてお伝えしました。セテアリルアルコールはエタノール(エチルアルコール)とはまったく別のものです。洗浄目的というよりは、製品のテクスチャーをよくするために使用されるので、多くのアイテムに含まれています。基本的に安心性は高いものの、確実に赤ちゃんの肌に合うとは言い切れませんので、念のためパッチテストをしてから使うようにしましょう。