アロエベラ葉エキスとは?効果・効能や安全性について解説

アロエベラ葉エキスとは?効果・効能や安全性について解説

ヨーグルトの具としてもお馴染みの「アロエ」からは、「アロエベラ葉エキス」という成分を抽出できます。これは赤ちゃん向けのアイテムにも使われることのある成分ですが、安全性は確保されているのでしょうか。
今回は、アロエベラ葉エキスの効果や効能を詳しく紹介し、安全性の有無についても検証します。赤ちゃんに肌にどのようなプラスの作用をもたらすのか、じっくり確認してみてくださいね。

アロエベラ葉エキスとは

アロエベラ葉エキスは、ユリ科の植物であるアロエベラの葉から抽出したエキスを指す成分名です。食用としても用いられる、いわゆる「アロエ」が原材料です。アロエベラには、下剤として使われる「アロイン」という成分が含まれますが、エキスとして抽出するにあたってアロインは除去されます。
アロエベラは世界中で栽培されており、北アフリカが原産地と考えられています。日本国内では、沖縄など南部の一部地域への分布が認められます。アロエベラ葉エキスは天然成分なので、アロエベラの原産地によって成分の配合量に若干の差が見られることが特徴の1つです。
アロエベラの主成分はアミノ酸、ムコ多糖類、アロエサポナリンⅠという3つです。葉肉そのものにはビタミン食物繊維が豊富に含まれていることでも知られ、免疫力の向上にも役立つと考えられることから、ヤケドの治療薬として用いられることも珍しくありません。

アロエベラ葉エキス

アロエベラ葉エキスはどんな化粧品に含まれている?

アロエベラ葉エキスの効能については後述しますが、高い保湿作用を持つため、洗顔料やシートパック、スキンケア化粧品などの成分として頻繁に用いられます。赤ちゃんが使用する化粧品としては、一部のスキンケア商品の原材料に使われる場合があります。
特徴的なのは、日焼け止めに関連するアイテムにアロエベラ葉エキスが使われることがあるという点です。アロエベラ葉エキスには紫外線を吸収する効果が備わっており、日焼け止めに有効と考えられます。日焼け止め効果を含むファンデーションなどにも、この成分が利用されることは珍しくありません。

化粧品に含まれているアロエベラ葉エキス

アロエベラ葉エキスの効果・効能

アロエベラ葉エキスには、前述した保湿効果や紫外線吸収効果のほかにも、いくつかの効果・効能が認められます。大人や赤ちゃんの肌に対してどのような効果を期待できるのか、それぞれの項目で詳しくご紹介します。

紫外線吸収効果

人間の肌にとって紫外線は大敵であり、とくに赤ちゃんのデリケートな肌には紫外線対策が必須です。紫外線によるダメージを受けると免疫力が低下しますし、大人と同じようにシミやシワなどの原因となる可能性も否定できません。
アロエベラ葉エキスには「アロエサポナリンⅠ」という成分が含まれ、これに紫外線を吸収する効果が備わっています。アロエベラ葉エキス配合のボディケアアイテムを使用することによって、一定量の紫外線から身を守ることが可能です。

アロエベラ葉エキス配合のボディケアアイテムは一定量の紫外線から身を守ることが可能

抗酸化作用

紫外線を浴びることによって、炎症を引き起こす原因となる一重項酸素が活発に働きます。これが色素沈着皮膚炎という結果に直結することになるのですが、アロエベラ葉エキスには、一重項酸素を打ち消す力も秘められています。
一重項酸素の除去に効果的な成分としては「ビタミンE」が有名です。アロエベラ葉エキスには、なんとこのビタミンEの2倍というスピードで一重項酸素を除去する力があるとの研究結果もあります。紫外線吸収効果との相乗効果にも期待でき、抗炎症成分としても力を発揮してくれる成分です。

ビタミンEの2倍というスピードで一重項酸素を除去する力があり抗炎症成分としても力を発揮

若返りを促進する効果

アロエベラ葉エキスにプルーン分解物が加わることで、ミトコンドリアトランスファー率を引き上げられます。ミトコンドリアはエネルギーを産生することのできる小器官であり、損傷した細胞を修復させるために役立つことで有名です。したがって、アロエベラ葉エキスからは若返り効果にも期待できます。

アロエベラ葉エキスにプルーン分解物が加わることで損傷した細胞を修復させる効果がある

アロエベラ葉エキスの安全性

アロエベラ葉エキスは、医薬部外品原料規格2006(外原規2006)に収載されており、厚生労働省によって一定の安全性が認められています。下剤作用を持つアロインの存在は気になりますが、薬機法により、アロインを除去したアロエベラ葉エキスでなければ流通が認められないため安全です。
皮膚刺激性に関してはない、もしくはほぼ認められず、赤ちゃんの肌にも安心して使うことが可能です。古くからアロエは万能薬として使われ、ヤケドした肌に直接貼り付けられることもありました。こういった使い方をしても大きな問題に発展していないため、歴史的に見ても安全性の高い成分といえます。
一方で植物由来の成分であることから、アレルギーに関するリスクには備える必要があるでしょう。また、眼刺激性については十分な研究が行われておらず、危険性の有無は不透明です。赤ちゃんの目には近付けないように使い、何らかのアレルギー反応が出た場合には使用を中止することをおすすめします。

アロエベラ葉エキスの安全性

アロエベラ葉エキスを使用する際の注意点

一般的なアロエが使用されている場合は、アレルギーや眼刺激性以外のトラブルを心配することはありません。しかし1つだけ注意しておかなければならないのは、アロエベラ葉エキスを抽出する際に使用したアロエの種類は「キダチアロエ」だった場合です。
キダチアロエは、アロインの除去を義務付けられていない例外的なアロエの種類です。アロインがそのまま残留していることが多く、知らずに使っているとアロインのアレルギーを引き起こすことや、下痢などの症状を起こす可能性があるため注意しましょう。

キダチアロエ

まとめ

アロエベラ葉エキスは、日本人にとっても馴染み深いアロエから抽出したエキスです。強い抗酸化作用や紫外線吸収効果、若返り効果などに期待でき、使用することで肌を炎症や色素沈着から守ることができます。
アロエベラ葉エキスは転園由来の成分であるため、アレルギーの可能性を否定はできませんが、大きな問題になっているという報告はありません。医薬部外品原料規格2006にも収載されており、ヤケドの治療薬として代用され続けた歴史もあるため、赤ちゃんにも安心して使える成分です。

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