加水分解ヒアルロン酸とは?効果・効能や安全性について解説
目次
- ・加水分解ヒアルロン酸とは
- ・加水分解ヒアルロン酸はどんな化粧品に含まれている?
- ・加水分解ヒアルロン酸の効果・効能
- ・加水分解ヒアルロン酸の安全性
- ・加水分解ヒアルロン酸を使用する際の注意点
- ・まとめ
化粧品に配合されている成分の中でも、比較的認知度が高いヒアルロン酸。スキンケア化粧品を選ぶ際に、「できるだけヒアルロン酸が配合されているもの」など、意識して選んでいるママも多いのではないでしょうか。
そこで今回ご紹介するのは「加水分解ヒアルロン酸」。効果や効能、安全性についてお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
加水分解ヒアルロン酸とは
加水分解ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸Naを加水分解することで低分子化させたヒアルロン酸です。そもそもヒアルロン酸とは、水分保持には欠かせない成分として知られていますが、一般的な化粧品に含まれるヒアルロン酸Naの分子量は10万~200万の高分子。一方、加水分解ヒアルロン酸は1万以下にまで低分子化されています。
では、分子の大きさによって、保湿効果はどのように違ってくるのでしょうか。まず、高分子のヒアルロン酸には、肌表面の保湿には効果があるものの、肌の奥まで浸透はできませんので、洗い流せば効果はなくなってしまいます。しかし、低分子化されている加水分解ヒアルロン酸の場合、肌の奥までしっかり浸透するので、より高い保湿力が期待できるというわけです。
なお、医薬部外品に配合される際にも加水分解ヒアルロン酸と表示されますが、慣用的に「低分子ヒアルロン酸」あるいは「浸透型ヒアルロン酸」と呼ばれることもあります。
加水分解ヒアルロン酸はどんな化粧品に含まれている?
加水分解ヒアルロン酸は、高い保湿効果を持つことから、多くのスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品、ボディケア製品、ハンドケア製品、ヘアケア製品などに使用されています。赤ちゃん用のアイテムでは、保湿剤はもちろん、おしりふきなどにも使用されています。
加水分解ヒアルロン酸の効果・効能
加水分解ヒアルロン酸の効果と言えば、高い保湿作用です。実際に、2009年にキューピーによって公開された情報によると、15名の被験者で実験を行ったところ、次のような結果が確認されています。
・平均分子量6,000の1%加水分解ヒアルロン酸
・分子量140万の1%ヒアルロン酸
・蒸留水
上記の液体を染み込ませたガーゼを腕に貼り、48時間後に剥がしてから、試験部位の皮膚水分量がどのように変化するかを測定したというものです。
このうち、分子量140万の1%ヒアルロン酸と蒸留水を貼った部位の水分量は、ガーゼを剥がしてから1日で、実施前とほぼ同じ数値に戻ってしまいました。しかし、平均分子量6,000の1%加水分解ヒアルロン酸を貼った部位の水分量は、実施前と比較すると、1日経過しても5倍以上、4日経過しても2倍以上の水分量が維持されていたのです。
この結果から、皮膚水分量を多くかつ持続的に保持できることが確認されています。加水分解ヒアルロン酸の保湿力の高さがわかりますね。
加水分解ヒアルロン酸の安全性
キューピーが公開している安全性試験データによると、加水分解ヒアルロン酸について次のような内容が確認できます。
動物実験の結果、皮膚への刺激性については、100%濃度で軽度の反応が認められたものの、30%濃度では問題ありませんでした。また、眼への刺激性についても、同じく動物実験において10%濃度では陽性反応は見られていません。さらに、アレルギー性はほとんどなしとされていることから、適切な配合量や使用方法の範囲であれば安全性には問題ないと考えてよいでしょう。
加水分解ヒアルロン酸を使用する際の注意点
加水分解ヒアルロン酸は、基本的に赤ちゃんにも使用できます。しかし、それぞれの体質による影響も否定できませんし、そもそも赤ちゃんの皮膚はとても薄く、バリア機能が未熟な状態です。どんなに安心できる成分で作られていても、場合によっては肌トラブルの原因となる可能性も考えておきましょう。
また、一つの製品にも複数の成分が含まれていますので、加水分解ヒアルロン酸以外の成分が原因で肌トラブルを引き起こすことも考えられます。そのため、赤ちゃんが初めて使う製品は、必ずパッチテストをするようにしましょう。パッチテストとは、製品に含まれる成分に対して、赤みやかゆみ、かぶれなどが起こらないかを事前に調べるためのテストです。
パッチテストには複数のやり方がありますが、赤ちゃんの場合はより念入りに、3日間ほどかけて様子を見たほうが安心です。次にご紹介する方法を参考にしてみてくださいね。
赤みやかぶれなどの反応が出た時点で、すぐに洗い流してパッチテストを終了してください。翌日も入浴後の清潔な肌に製品を塗るということを繰り返して、3日間続けて異常がなければパッチテストは完了です。
なお、スキンケアアイテムのパッチテストでは、皮膚が薄い二の腕などに直接原液を塗りますが、せっけんやシャンプーのパッチテストの場合は原液をそのまま塗らないようにしましょう。この場合、原液を精製水で薄めたものを使用します。ガーゼに染み込ませて塗布するか、絆創膏のガーゼ部分に塗ってから貼ってあげてくださいね。
まとめ
今回は、加水分解ヒアルロン酸の効果や効能、安全性についてお伝えしました。加水分解ヒアルロン酸は、低分子化されていることで一般的なヒアルロン酸よりも浸透力が高く、高い保湿力が期待できます。基本的に安心して使用できる成分ですが、赤ちゃんとの相性を確認してから使ってあげるようにしてくださいね。