赤ちゃんを母乳で育てるメリットとは?注意点もあわせて解説

赤ちゃんを母乳で育てるメリットとは?注意点もあわせて解説

赤ちゃんを母乳で育てることで得られるメリットをご存じでしょうか。最近ではミルクの品質が向上し、母乳が出る人でも安心して「ミルクで育てる」という選択肢を取ることも可能となりました。
母乳とミルク、どちらを選んでも大切な赤ちゃんを育てるための大切な栄養源です。今回は、母乳で育てるメリットはもちろん、注意点もあわせて解説します。

母乳育児の4つのメリット

母乳育児には赤ちゃんにとってのメリットがたくさんあります。赤ちゃんの身体を作る栄養素はもちろん、免疫の面から見ても優れたものだと言えるのです。
それぞれのメリットについて詳しく解説します。

母乳育児の4つのメリット

免疫力増強につながり、病気にかかりにくくなる

母乳には免疫の中でも大きな役割を担っている抗体の全てが含まれています。したがって、風邪などはもちろん、下痢や呼吸器感染症、中耳炎といった病気にもかかりにくくなると言われています。
また、アレルギーを起こしにくくなります。慢性疾患のリスクも軽減してくれるので、ミルクで育った子よりも母乳で育った子のほうが肺炎にかかる割合が30倍も違うとユニセフが発表しています。

消化が良い

母乳は消化が良いので、内蔵が未発達の赤ちゃんに負担をかけることがありません。消化が良いので頻回授乳となり、そのおかげでさらに母乳の分泌も良くなるのです。

将来、肥満になるリスクが軽減する

一部の疫学調査の結果、母乳育児で育った子は将来肥満になるリスクが軽減するという結果が出ています。
しかし、現在の時点で母乳と肥満に関する関係性が正確に認められたわけではなく、そういった調査結果が多く出ているという状況にとどまっています。

母乳は赤ちゃんにとって最適の栄養!

出産後すぐに分泌される「初乳」やその後に分泌される「成乳」など、赤ちゃんの成長によって母乳の質は変化します。
これは母乳がそのときに一番必要としている最適の栄養を赤ちゃんに届けるために起こる神秘の変化だと言えます。
母乳に関してはいまだ解明されていない未知の成分も含まれています。これまで挙げたメリット以外にも、赤ちゃんにもたらすメリットはまだまだあるのかもしれません。

母乳育児はママにもメリットがある!

赤ちゃんにとってのメリットを挙げてきましたが、実はママにとってのメリットもあります。知っておくと、赤ちゃんへの授乳時間がますますうれしいものになってくることでしょう。

母乳育児はママにもメリットがある!

産後の回復が早くなる

出産直後の子宮はまだ大きく広がった状態です。これを元の大きさまで戻す必要がありますが、そのときにオキシトシンというホルモンが分泌され子宮の収縮を促してくれます。
母乳を与えることによりこのオキシトシンが多く分泌され、産後の回復に役立ってくれるのです。産褥期のママにとってはありがたい作用だと言えます。

「女性のがん」の予防が期待できる

母乳を与えることにより、乳がんの発生率を低下させられると言われています。女性のがんである乳がんは、進行するとリンパやほかの臓器に転移してしまう病気です。少しでもリスクを下げられるのであれば、ありがたい話です。

ミルク代がかからない

赤ちゃんには必ず栄養源が必要です。母乳が出ないなどの理由で母乳育児ができない家庭は、ミルクを購入する必要があります。
ミルクは毎日飲むものなので、ミルク代だけでもかなりの金額を使います。その点、母乳であればミルクを購入する必要はなく、いつでも好きな分だけ飲ませてあげられるのです。

母乳で赤ちゃんを育てる際の注意点5

赤ちゃんにとってもママにとってもメリットの多い母乳育児ですが、楽しいことばかりではありません。中には負担に感じてしまったり、授乳時間が苦痛に感じてしまったりするママもいるのです。
それだけでなく、母乳育児には気を付けなければならない注意点もいくつかあります。

赤ちゃんを混合栄養で育てる際の注意点

1 お母さんの身体に負担がかかる

母乳育児では2時間おきの授乳が必要です。これは夜中でも関係ありません。
赤ちゃんがお腹を空かせて泣けばママは起きて授乳します。産後の回復しきっていない身体で、慣れない育児をしながら睡眠不足にも陥ってしまうという時期が少なくとも生後3ヶ月までは続くのです。
また、初めて授乳する人は乳首の柔らかさが足りず切れてしまい、授乳の度に激痛を感じることもあります。乳頭マッサージを根気よく続け、赤ちゃんにとって飲みやすい乳首を作ってあげる必要があるのです。
そのほかにも乳腺が詰まってしまい、乳腺炎を起こし高熱を出すこともあります。

2 赤ちゃんが母乳をしっかり飲めているか分かりづらい

ミルクは哺乳瓶に作った量をメモリとして見ることができますが、乳首から直接飲ませる母乳は赤ちゃんがどのくらい飲んだのか分かりづらいものです。
新生児期では産院で授乳前と授乳後の体重を測定し、その変化によって飲んだ量を割り出しますが、自宅に帰ってからだとなかなかそんな時間は取れませんし、グラム単位で重さを測る体重計を持っている人も少ないことでしょう。
1ヶ月検診や3ヶ月検診などで体重の変化を見て1日あたりの増加体重を割り出して母乳が足りているかの判断をするのが一般的です。

3 赤ちゃんを長時間預けることが難しい

母乳は母親にしか出せないものです。何らかの用事があったとしても長時間預けることが難しくなります。
どうしても預けなければならない事情がある場合は、絞った母乳をパックに入れて保存できる容器が販売されているので、それらを活用しながら工夫していくしかないでしょう。

4 消化しやすいため、すぐにお腹を空かせてしまう

母乳は消化が良いため、赤ちゃんの内臓に負担をかけないことがメリットだと説明しました。しかし、それは裏を返せば飲んでもすぐにお腹が空いてしまうことにつながってしまいます。
お腹が空く間隔が短いと頻回授乳となり、その分ママの負担が増えます。とくに夜中の頻回授乳は睡眠不足につながるため、負担も大きいです。

5 ミルクよりビタミンKが少ない

ビタミンKは血液を凝固させる作用があります。不足すると新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症を発症するリスクを高めてしまう恐れがあるのです。
母乳はミルクに比べてビタミンKが少ないので、母乳育児の場合はK2シロップを投与する場合があります。

無理に母乳で育てなくても大丈夫!ミルクを上手に活用しよう

一昔前は「赤ちゃんは母乳で育てるべき」という、いわゆる「母乳神話」と呼ばれる考え方がありました。しかし現在ではミルクの質が向上し、必ずしも母乳で育てる必要はなくなってきています。
「母乳が出ない」「授乳が苦痛」、そんなママは世の中に大勢いるのです。深く悩むことはせずにミルクを上手に活用して、赤ちゃんにとってもママにとっても健やかな育児をしていきましょう。

まとめ

母乳は赤ちゃんに栄養はもちろん、必要な免疫を与え、同時にママの産後の回復にも役立つ素晴らしいものです。
消化が良いため赤ちゃんの負担になることなく、赤ちゃんの身体を作る栄養素をふんだんに与えてくれます。しかし、授乳はママへの負担が大きい場合もあり、誰かに預けることも難しいです。
母乳育児にこだわらずとも、ミルクを上手に活用して育児を楽しくこなしている人は多いです。母乳が出ないことに悩んだり、ふさぎ込んだりせずに、赤ちゃんと笑って育児ができるよう肩の力を抜きましょう。

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