赤ちゃんの蕁麻疹の原因は? 対処法や蕁麻疹と間違えやすい症状も紹介

赤ちゃんの蕁麻疹の原因は? 対処法や蕁麻疹と間違えやすい症状も紹介

着替えやオムツ替えの際、赤ちゃんの体に蕁麻疹を見つけたら驚いてしまいますよね。すぐに小児科に連れて行ったほうがよいのか、あるいは様子を見たほうがいいのか、迷ってしまうママパパも多いのではないでしょうか。
今回は、蕁麻疹とは何か、赤ちゃんの蕁麻疹に多い原因や対処法についてお伝えします。

蕁麻疹とは

蕁麻疹とは、ブツブツとした膨疹や赤みが発生し、かゆみを伴う症状です。本来、外部の刺激から体を守る役目を担う角層の下には表皮と真皮があり、そのうち真皮には蕁麻疹の原因細胞となるマスト細胞が存在しています。そのマスト細胞が何らかの刺激を受けると、ヒスタミンが放出され、これが毛細血管に作して蕁麻疹が現れる仕組みです。
そして、通常は数時間から1日程度で消えるケースが多く、ブツブツとした膨疹が消えればかゆみも治まってきます。

蕁麻疹

赤ちゃんの蕁麻疹に多い原因

では、なぜ蕁麻疹が起きるのでしょうか。蕁麻疹は、約7割もが原因不明と言われていますが、主にアレルギーによるものとアレルギー以外によるものが考えらます。

アレルギー性の蕁麻疹

アレルギー性の蕁麻疹の場合、食物や動物、植物によるものなどがあります。とくに多いのが食物アレルギーで、特定の食品を摂取したときのみ症状が現れるのが特徴です。対象となる食品には、そばやエビ、カニ、果物などもありますが、とくに乳幼児期には、卵や乳製品、小麦などのアレルギーが多く見られます。

アレルギー性の蕁麻疹

非アレルギー性の蕁麻疹

非アレルギー性の蕁麻疹では、さまざまな要因が考えられます。入浴時などの急な温度変化、日光や汗による刺激、衣服やチャイルドシートなどによる肌の圧迫、感染症、抗生物質や解熱剤など、かなり多岐にわたっているので、日頃からしっかり赤ちゃんを観察していても原因が特定できないことが多くあります。
なお、薬品による蕁麻疹は重症化するケースもあるため、異変を感じたら使用を中止して、早めに小児科を受診してください。

非アレルギー性の蕁麻疹

赤ちゃんに蕁麻疹が出たらどうする?

それでは、赤ちゃんの体に蕁麻疹ができた場合、どのように対処すればよいか確認していきましょう。

蕁麻疹の対処法

冷やすことでかゆみを緩和する

蕁麻疹はかゆみを伴いますので、赤ちゃんにとってはとても不快なもの。少しでもかゆみを抑えるために、患部を冷やしてあげるとよいでしょう。生後6ヶ月未満の赤ちゃんであれば、直接患部を冷やすのではなく、室温を下げたり薄着にさせたりして、体全体を涼しく保ってあげるようにしてください。また、入浴すると血行がよくなりかゆみが増してしまうため、蕁麻疹が出ているときには控えておいたほうがよいでしょう。

衣服の素材に注意する

蕁麻疹でかゆみがあるときに、肌に刺激を与えるような素材の衣服はNGです。また、締め付けが強い衣類も控えておきましょう。

小児科を受診する

一時的に症状が落ち着いたとしても、強いアレルギー症状の1つとして蕁麻疹が出ることもありますので、後日必ず小児科を受診しましょう。症状の程度によっては、無理に当日中に受診しなくても大丈夫ですが、息苦しさや嘔吐、腹痛、下痢などの症状が現れたり、かゆみが強かったりする場合には早急に受診してください。
なお、アレルギー性の蕁麻疹が疑われた場合には、血液検査などでアレルギーの原因となる物質を調べることになります。そして食物アレルギーが判明した場合、食事療法などが必要になりますので、自己判断をせず、必ず医師の指示を守って治療を進めていきましょう。

そのブツブツ!蕁麻疹ではない可能性も・・・

赤ちゃんの体にブツブツを発見したとしても、それが必ずしも蕁麻疹であるとは限りません。そこで、蕁麻疹に似た症状の皮膚疾患を見ていきましょう。ただし、これも自己判断は危険ですので、予備知識として覚えておいてくださいね。

蕁麻疹に似た症状の皮膚疾患

新生児ニキビ・脂漏性湿疹

新生児ニキビや脂漏性湿疹も、赤いブツブツができます。新生児ニキビは生後1週間~1ヶ月、脂漏性湿疹は生後1~3ヶ月頃にできやすいという傾向があり、いずれも皮膚を清潔にして保湿を心がければ落ち着いてくる症状です。

あせも

あせもは、皮膚の中にたまった汗が、汗の出口である汗腺をつまらせてしまうことで体外に排出できなくなり、皮膚が刺激されて起こる炎症です。赤みを帯びた患部はかゆみを伴うため、これも赤ちゃんにとってはとても不快な症状。夏はもちろん、厚着などによって冬でも起こりやすい皮膚トラブルの1つです。

虫刺され

虫刺されも、かゆみや赤み、腫れを伴います。蚊やダニ、ノミなどに刺されることが原因で、水ぶくれができることもあり、大人より症状が重くなりがち…。たかが虫刺されと思わず、適切な処置が必要です。

その他の症状

その他にも、蕁麻疹に似た症状として突発性発疹やアトピー性皮膚炎などがあります。突発性発疹は発熱を伴うため比較的判断しやすく、2~3日で落ち着きますが、アトピー性皮膚炎は治るまでに時間がかかるのが特徴です。また、改善されたと思ったらまた悪化するなど、何回も繰り返す傾向があります。

まとめ

今回は、赤ちゃんの蕁麻疹についてお伝えしました。蕁麻疹の原因は不明なケースが多いものの、アレルギー性のものか非アレルギー性のものかによって処置も変わってきます。強いアレルギー症状の1つとして蕁麻疹が現れることもありますので、一時的に落ち着いたとしても小児科を受診しておきましょう。

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