赤ちゃんの食物アレルギーはなぜ起こる?症状や予防法についても解説
赤ちゃんの食物アレルギーの発症時期として、最も多いのが0~1歳だと言われています。この時期は離乳食を進める時期でもあり、新しい食品をメニューに取り入れるたびにママパパも不安ですよね。
そこで今回は、赤ちゃんの食物アレルギーの原因や症状、予防法についてお伝えします。食物アレルギーに関するママパパの疑問もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
赤ちゃんの食物アレルギーの原因と症状
アレルギーは、本来危険ではない異物に対して過剰な免疫反応が起こってしまうこと。その異物が特定の食物であるケースが、食物アレルギーです。赤ちゃんの約10%に食物アレルギーがあるとされ、とくに多いのが0〜1歳。成長とともに治ると言われていますが、やはりママパパの心配も大きいでしょう。では、なぜ赤ちゃんが食物アレルギーになってしまうのでしょうか。その原因と症状を見ていきましょう。
アレルギーの原因となる要因をアレルゲンと言いますが、食物アレルギーに多いアレルゲンとして、0歳児では鶏卵が最も多く見られ、次いで牛乳、小麦の順番になっています。この3つの食品が占める割合は、なんと全体の9割。残りの1割には、落花生、カニやエビなどの殻類、そば、ニンニク、魚卵、果物、などがあります。これらの食品が体内に入り込んだとき、過剰な免疫反応が起こることが食物アレルギーの原因ですが、ほとんどがたった3つの食品であることに驚きますよね。
食物アレルギーでは、アレルゲンを口にしてから30分以内にアレルギー症状が現れることが多く、場合によっては1~2時間後に発症することもあります。最も多い症状は、赤みやかゆみ、発疹などの皮膚の変化で、全体の90%がこれに当たります。ほかには、吐き気や腹痛、目のかゆみ、咳や鼻水が現れることもあり、重症化するとアナフィラキシーを引き起こすこともあるため十分注意が必要です。
食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の関係
近年、アトピー性皮膚炎が原因で食物アレルギーが引き起こされるという見解が主流となってきました。大人の場合ではありますが、特定の成分(小麦)を含んだ石鹸を愛用していた人が小麦アレルギーになったという例もあります。しかし、実際にアトピー性皮膚炎の赤ちゃんが食物アレルギーを発症する可能性は高く、その確率は約50~70%。この見解を否定できるものではなさそうです。
これは、食品が体内に入り込む手段が、食べるだけではないということも理由の一つです。食品を食べないのに体内に入る?と思われるかもしれませんが、食物の小さい成分は皮膚から体内に入り込むことがあります。つまり、室内に置いてある食品に触れるだけでも、皮膚から入り込むことがあるということです。すでにアトピー性皮膚炎を発症している場合、免疫細胞が過剰に反応する状態になっているので、傷ついた皮膚や乾燥肌のような肌のバリア機能が低下している皮膚から食品が入り込むと、その食品に対するアレルギー反応の準備をしてしまうことがあります。まだ口にしたことがない食品に対して、過剰な防衛を準備が整えてしまうのです。
ここで、アトピー性皮膚炎について簡単にお伝えしておきましょう。アトピー性皮膚炎は、生後2~3ヶ月以降に現れることが多いアレルギー性疾患です。はっきりとした原因はわかっていませんが、外的要因から体を保護するはずの皮膚のバリア機能が低下していることが関与していると言われ、そこにダニやハウスダストなどさまざまなアレルゲンが重なって発症すると言われています。
赤ちゃんの食物アレルギーを予防するには?
食物アレルギーを予防するには、スキンケアが重要であるという考え方があります。確かに、アトピー性皮膚炎が原因で食物アレルギーが引き起こされるのであれば、アトピー性皮膚炎の予防が大切です。そして、アトピー性皮膚炎の予防にはスキンケアが欠かせませんので、食物アレルギーの予防にもスキンケアが有効であることがわかります。
スキンケアで大切なことは、肌を清潔に保つことと保湿することです。低刺激のボディソープや石鹸を使って、しっかりと泡立ててから、擦らないようにやさしく丁寧に洗ってあげましょう。きれいになったらしっかりと泡を流し、やわらかいタオルでしっかりと水分をふき取ります。そして、肌がきれいになったら全身しっかり保湿してあげてください。
赤ちゃんの食物アレルギーに関するQ&A
最後に、赤ちゃんの食物アレルギーに関するママパパの疑問をご紹介しましょう。
赤ちゃんの食物アレルギーを発症させないために、授乳中のママも卵や牛乳を控えたほうがいいのかと考えることもあるでしょう。しかし、ママが卵や牛乳の摂取を控えることはおすすめできません。医師の指示がない限り、偏りのない食事をとることを心がけてくださいね。
食物アレルギーがあっても、離乳食の開始を遅らせる必要はありませんので、通常どおりのタイミングでおかゆや野菜から始めましょう。そして、魚、肉、豆類の順番に進めていってください。ただし、すでにアトピー性皮膚炎を発症している場合には医師と相談してから開始しましょう。
まとめ
今回は、赤ちゃんの食物アレルギーの原因や症状、予防法についてお伝えしました。多くの場合、成長とともに治まってくる食物アレルギーですが、重症化すると危険ですので、できるだけ発症してほしくないですよね。そこで大切なのが予防。毎日のスキンケアがアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの予防になりますので、ぜひケアを続けていってくださいね。