妊婦はカレーを食べてもいいの?妊娠中にカレーを食べるメリット・注意点を解説
香り豊かな香辛料やスパイスが入ったカレー。日本のカレーだけでなくインドカレーなど、妊娠中にも食べたくなることはあるでしょう。
でも妊婦さんは食生活にさまざまな制限が課されるため、香辛料やスパイスを含むカレーを食べても良いのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
今回は、妊娠中にカレーを食べてもOKなのかについて、カレーを食べるメリットや注意点と一緒に解説します。
妊婦がカレーを食べても大丈夫?
結論を述べると、健康な妊婦さんがカレーを食べても問題ありません。
カレーに含まれている香辛料やスパイスは母体だけでなく、お腹の中にいる赤ちゃんにも影響を与えることはないので安心してくださいね。ただし、激辛カレーなどの極端にかたよった種類でなければの話です。
後述しますが、カレーには冷え性改善など、妊婦さんにとってうれしい効果が含まれているので、むしろ食べることでメリットが得られることでしょう。
妊婦がカレーを食べる3つのメリット
香辛料やスパイスが食欲をそそり、おいしく食べられるカレー。カレーは味のおいしさだけでなく、そのほかにもさまざまなメリットがあります。主なメリットを全部で3つ見ていきましょう。
まずは冷え性の改善を期待できることです。多くの妊婦さんにとって体の冷えは大敵。冷えが原因となって体のむくみや腰痛、腹部の張りなどが生まれてしまいます。
また赤ちゃんに栄養をたくさん届けるためには、冷えを改善して血流量を増やさなければいけません。
カレーに含まれている香辛料やスパイスには、血行を促してくれる役割を持つものもあります。血行が良くなることで冷え性も改善できるようになるでしょう。
妊娠中、特に妊娠初期はつわりなどの影響から、食欲がわかないことも珍しくありません。しかし、母体の健康、そして赤ちゃんが元気に育つためには、しっかり食べて栄養を補給する必要があります。
カレーが持つ香辛料やスパイスには、食欲を増進させてくれる効果があるのが一般的です。胃腸の働きを活発にして、食欲がない時でも食欲を高めてくれますよ。
ただし妊婦さんによってはカレーの香りやこってりとした味付けで、気持ち悪くなってしまうことがあるかもしれません。つわりが酷くなる可能性もあるので、注意してくださいね。
最後は栄養素を摂りやすいことです。
カレーはどのような食材との相性も良く、何を具材に入れてもおいしく食べられるのが特徴です。妊娠中に必要となる栄養素を含む食材を一緒にカレーの具材とするだけで、簡単に栄養満点の食事を摂れるようになりますよ。
肉やジャガイモ、ニンジン、タマネギなどの定番食材だけでなく、さまざまな食材を入れてみましょう。さらに白いご飯を、食物繊維を豊富に含む玄米や麦ご飯に変えるのもおすすめです。
妊婦がカレーを食べる際の5つの注意点
妊婦さんがカレーを食べる場合、いくつかの点に注意しなければいけません。全部で5つの注意点を紹介します。
1つ目はカレーに含まれている香辛料の種類を事前に確認することです。香辛料やスパイスによってはアレルギーの原因になりかねません。
特にシラカバやヨモギなどの植物アレルギーを持っている妊婦さんの場合、カレーの香辛料で同じような症状が出る可能性もあるでしょう。
またウコン(ターメリック)やシナモン、ナツメグ、そしてセージには子宮収縮作用があるといわれています。
絶対に摂取してはいけないわけではなく、食べる量を調整してくださいね。
激辛カレーは控えることも大切です。辛みの元となるカプサイシンを大量に摂取すると、胃腸を強く刺激して粘膜を傷つけます。胃痛だけでなく下痢の原因にもつながるので、注意しましょう。
また血流が促進することで子宮が収縮し、お腹が張るようにもなるかもしれません。激辛好きの妊婦さんも、妊娠中はグッと我慢してください。
3つ目は添加物の多いレトルトカレーを控えることです。
レトルトカレーの中には消化が悪い牛脂豚混合油のほか、グルタミン酸ナトリウムと呼ばれる添加物を含んでいるものがあります。
グルタミン酸ナトリウムを長く摂取し続けると、味覚障害などの健康悪化を招く可能性が生じるため、添加物が多いレトルトカレーは摂取を控えましょう。
いくらカレーがおいしくても、食べ過ぎないように気をつけてください。
カレー自体には高い脂質が含まれており、さらに白いご飯やナンなどの炭水化物と一緒に食べると、必然的に摂取カロリーも上がります。
また市販のカレールーには塩分が多く含まれているため、たくさん食べてしまうと塩分過多になる可能性もあるでしょう。
体重管理だけでなく、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などを予防する観点からも、食べ過ぎないように注意してくださいね。
最後は作り置きカレーは食中毒に注意することです。
大きな鍋で一度にたくさんのカレーを作り置きしておくと便利ですが、食中毒のリスクも高まります。
ウェルシュ菌と呼ばれる細菌は空気に弱いものの、沸点100度の加熱では死滅しません。カレーはドロッとした食感のため、鍋の下の部分はほとんど空気に触れません。そして、たとえ加熱したとしても、沸点100度でウェルシュ菌は死滅しないため、カレーの中に残ってしまいます。
カレーを作り置きする際、まずは小分けにして冷蔵保存しましょう。そして食べる際に小分けにした容器をしっかりかき混ぜれば、空気がカレーに含まれていくので安心です。
まとめ
妊婦さんもカレーを食べても問題ありません。冷え性改善や食欲増進など、うれしいメリットもたくさん得られることでしょう。
ただし激辛カレーを控える、添加物を含むレトルトカレーを控える、そして食べ過ぎないようにするなど、注意するべき点をしっかり守るようにしてください。
簡単に調理できて栄養も満点のカレー。食べる量や辛さに注意して、おいしく楽しんでくださいね。