妊婦の焼肉・ホルモンはOK?安全に食べるためのポイント・注意点を紹介

妊婦の焼肉・ホルモンはOK?安全に食べるためのポイント・注意点を紹介

「焼肉を食べたいけど、妊娠中は食べても大丈夫なのかな?」と不安に感じている妊婦さんはいるのではないでしょうか。
思うように体を動かせず疲れやすい妊婦さんにとって、スタミナを豊富に含む焼肉やホルモンを食べたいと思うこともあるでしょう。
今回は妊婦さんが焼肉やホルモンを食べても大丈夫なのかについて、安全に食べるためのポイントや注意点を紹介します。

妊娠中に焼肉を食べても大丈夫?

「食中毒を起こす可能性があるから、妊娠中は焼肉を食べない方がよい」「焼肉は脂っこいので、妊婦さんが食べるのは好ましくない」など、妊娠中に焼肉やホルモンを食べない方がよいとの声も聞かれます。
しかし結論を述べると、妊娠中でも焼肉を食べて問題はありません
母体やお腹のなかの赤ちゃんが安定しない、妊娠初期でも大丈夫です。
妊娠初期の場合、「焼肉を食べたい!」と思って実際に食べてみると、食べたい気持ちはあっても気分が悪くなることもあります。
そのときの体調や状態をよく観察して、食べるようにしましょう。
焼肉にはタンパク質や鉄分など、妊婦さんにとって欠かせない栄養素が豊富に含まれているため、おいしく、そして健康的に食べることができるでしょう。
ただし肉の焼き方や食べる部位、食べる量については注意が必要です。

妊娠中に焼肉を食べても大丈夫?

妊婦が焼肉を安全に食べるための5つのポイント

妊婦さんが焼肉を安全に、おいしく食べるためにはいくつかのポイントがあります。
おもな5つのポイントを見ていきましょう。

お肉のなかまでしっかり加熱する

まずはお肉のなかまで、
しっかりと加熱する
ことです。
生の肉にはO-157などの食中毒を引き起こす細菌やウイルスだけでなく、後述するトキソプラズマ症の原因となるトキソプラズマが付着しているかもしれません。
お肉のなかまでしっかり加熱させることで、食中毒やトキソプラズマ症を防げます。
現在は、ユッケやレバ刺などの生肉を食べる機会が少なくなりましたが、必ず火をとおしたものを食べるようにしましょう。

しっかり加熱し食中毒やトキソプラズマ症を防ぐ

また焼肉を焼く用と、取り分ける用のトングや箸を別にすることも大切です。
生肉を触った箸で食事をしないようにしましょう。
自宅で焼肉をする場合、生肉が触れた包丁やまな板は食器用洗剤で洗うだけでなく、熱湯をかけることで二次汚染を防げます。
ひと手間かかりますが、健康を守るためには大切なことです。

・トングや箸を別にする・生肉が触れた包丁やまな板は熱湯をかける

ビタミンAの摂り過ぎに注意する

ビタミンAは動物性食品に含まれる栄養素で、人間の皮膚や粘膜形成などに欠かせないものです。
しかし妊婦さんが過剰摂取をすると、お腹のなかの赤ちゃんに口蓋裂や水頭症といった先天異常が発生するリスクが高まるといわれています。
ビタミンAの1日の摂取上限量は1500μgです。
また、ビタミンAはレバーに多く含まれているため、牛レバーや豚レバー、鶏レバーを食べる際は食べ過ぎに注意しましょう。

牛レバー、豚レバー、鶏レバーは食べ過ぎに注意

塩分の摂り過ぎに注意する

3つ目は塩分の摂り過ぎに注意することです。
焼肉のタレには塩分がたくさん含まれているため、タレをお肉にたっぷりつけると塩分過多になるかもしれません。
とくに妊娠中は妊娠高血圧症候群に罹患しやすい体質となっているので、注意しましょう。
タレの使用を控えて、代わりにレモン汁をつかうなどの工夫もよいといえます。
レモンの酸味で、塩分が少なくても満足できるはずです。

塩分が多い焼肉のタレは控えレモン汁をつかう

香辛料など刺激物の摂り過ぎに注意する

焼肉のなかには香辛料をつかった辛いメニューもあるでしょう。
つけあわせの定番、キムチやカクテキも辛いですよね。
口のなかがヒリヒリするぐらい辛い食べ物は、胃腸など内臓器官へ強い刺激を与えます。
胃もたれや胃炎、下痢を起こす可能性もあるので、摂り過ぎには注意しましょう。

辛い食べ物は胃もたれ、胃炎、下痢を起こす可能性がある

カロリーオーバーにならないよう気をつける

最後はカロリーオーバーにならないように気をつけることです。
体重管理が必要となる妊娠中は、カロリー摂取を調整しなければいけません。
お肉の部位によっては脂肪が多くついていたり、カロリーが高かったりもします。
食べる部位、そして食べる量を調整して、カロリーオーバーにならないように注意しましょう。

食べる量を調整しカロリーオーバーに気をつける

焼肉で注意が必要な「トキソプラズマ症」とは

焼肉を食べる際、もっとも注意しなければいけないもののひとつが、前述したトキソプラズマ症です。
トキソプラズマという寄生虫が生肉のなかに存在し、加熱をしていないお肉を食べることでトキソプラズマ症に感染する可能性が高まります。
健康な人であれば感染しても無症状だったり、症状があったとしても軽いインフルエンザ程度だったりと、さほど心配はいりません。
ただし妊婦さんは免疫力が低下しているため、重篤化すると死産や流産、そして胎盤をとおして胎児が感染すると、知的障害や視覚障害などを引き起こす可能性もあります。

加熱をしていないお肉を食べるとトキソプラズマ症に感染する可能性がある

妊婦はホルモンも食べられる?

妊婦さんはホルモンも食べても問題ありません
ホルモンも部位によってカロリーが異なるため、組み合わせを工夫するなど上手に調整しましょう。
また、先に述べたようにレバーにはビタミンAが豊富に含まれているため、摂取量には注意が必要です。

妊婦さんがホルモンも食べても問題はない

妊婦におすすめできる焼肉の部位3選

最後に妊婦さんにおすすめできる、焼肉の部位を3つ紹介します。

ヒレ

ヒレは牛や豚の腰から背中にかけての部分で、脂肪分が少ないのが特徴です。
適度に弾力があるのでそしゃく回数が増え、少量でも満足できるでしょう。

タン

タンは舌の付け根の部分です。
脂がのっているものの、あっさりとしているので妊婦さんでも食べやすいでしょう。
カロリーが比較的低めなのも、うれしいポイントですね。

モモ

最後はモモです。
内モモは柔らかく、ヒレと同じように脂肪が少ないので妊婦さんにピッタリな部位といえるでしょう。

まとめ

妊婦さんも焼肉やホルモンを食べても問題ありません。
ただし食中毒やトキソプラズマ症を防ぐために、お肉はなかまでしっかり加熱をして食べましょう。
またレバーを食べるときは、ビタミンAの過剰摂取にならないように注意しなければいけません。
食べる部位や量、食べ方を守って、妊娠中でもおいしく焼肉を楽しんでくださいね。