妊娠中でもお寿司が食べたい!注意すべきお寿司・食べてもOKなお寿司はどれ?
体が思うように動かないことや体重管理などから、なにかとストレスがたまりやすいのが妊娠中です。
「ストレス解消のために、たまにはおいしいお寿司を食べたい!」と思っている妊婦さんも多いのではないでしょうか。
妊娠中はお寿司を控えた方がよいといわれていますが、どうしても食べたいときもありますよね。
今回は妊娠中に注意すべきお寿司と、妊婦さんでも食べてもOKなお寿司のネタを紹介します。
妊娠中にお寿司を控えた方がよい理由
一般的に妊娠中はお寿司を控えた方がよいといわれていますが、いったいなぜなのでしょうか。
絶対にお寿司を食べてはいけないということではありません。
しかし、好きなネタを好きなだけ食べてよいというわけではないので、注意が必要です。
妊娠中は免疫力が妊娠前と比べて低下していることから、刺身や生魚を食べるのはリスクがともないます。
妊娠中にお寿司を控えた方がよい4つの理由を見ていきましょう。
まずは魚に含まれている水銀を摂取する可能性が高まることです。
水銀は自然環境のなかに多く存在しているものですが、人間にとっては有害な物質です。
マグロやカジキなどの大型の魚は食物連鎖上の上位に位置しており、小さい魚を食べ続けていることで水銀を多く蓄積しています。
人間の体内に取り込まれた水銀は尿や便をとおして、少しずつ外に排出されるため、とくに問題はありません。
2ヶ月ぐらいで、摂取量の半分ほどになるでしょう。
ただし妊婦さんが水銀を摂取すると、胎盤をとおって赤ちゃんに届き、赤ちゃんには排出機能が備わっていないことからどんどん蓄積されてしまうのです。
水銀が原因となって、赤ちゃんの発達に悪い影響をおよぼすかもしれません。
生魚にはアニサキスやリステリア、そしてノロウイルスなどといった細菌が含まれており、食中毒を引き起こす可能性があります。
とくにリステリアは、お腹のなかにいる赤ちゃんへの影響が厚生労働省でも指摘されており、注意が必要です。
3つ目は塩分や糖分、そして脂肪が多いことです。
お寿司に用いられるシャリには、塩と砂糖がつかわれています。
トロやサーモンなどのネタには脂肪が多く含まれ、さらに塩が含まれている醬油につけて食べることになるでしょう。
必然的に塩分と糖分、そして脂肪を摂取することになりますね。
とくに妊婦さんは、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病に罹患しやすいため、過剰摂取に注意しなければいけません。
最後は炭水化物の過剰摂取になりやすいことです。
お寿司一貫のシャリには、約20gの米がつかわれます。
一般的なご飯茶碗分の米は100~150gのため、意識しないでたくさんお寿司を食べると、炭水化物を過剰に摂取してしまうことになるでしょう。
妊娠中に注意すべきお寿司とは?
妊娠中にお寿司を食べる場合、注意した方がよい種類があります。
前述したように水銀は胎盤をとおして赤ちゃんに届きます。
赤ちゃんは排出機能をもっていないため、水銀がどんどん蓄積していってしまいます。
なるべく、水銀を多く含む魚介類のお寿司は避けるようにしましょう。
【妊婦が注意すべき魚介類の種類とその摂食量(筋肉)の目安】
摂食量(筋肉)の目安 | 魚介類 |
---|---|
バンドウイルカ | 1回約80gとして妊婦は2ヶ月に1回まで (1週間当たり10g程度) |
コビレゴンドウ | 1回約80gとして妊婦は2週間に1回まで (1週間当たり40g程度) |
キンメダイ メカジキ クロマグロ メバチ(メバチマグロ) エッチュウバイガイ ツチクジラ マッコウクジラ |
1回約80gとして妊婦は週に1回まで (1週間当たり80g程度)(1週間当たり40g程度) |
キダイ マカジキ クロマグロ ユメカサゴ ミナミマグロ ヨシキリザメ イシイルカ クロムツ |
1回約80gとして妊婦は週に2回まで (1週間当たり160g程度) |
アニサキスやリステリア、そしてノロウイルスなどの細菌をもった魚を生で食べると、食中毒になる可能性があります。
ビタミンAは抵抗力を高めたり、粘膜の働きを助けたりする大切な栄養素です。
しかし尿から排出されにくいため、過剰に摂取をすると体のなかに蓄積して、悪影響をおよぼす可能性があります。
とくに妊娠初期における動物性ビタミンAの過剰摂取は、赤ちゃんの奇形につながることが指摘されているほどです。
しっかりと火がとおったネタをつかったお寿司であれば、妊婦さんが食べても問題ありません。
注意が必要なのが炙り寿司です。
軽く寿司ネタの表面を火で炙っただけなので、しっかりと火がとおっていません。
食中毒などのリスクは残っているため、食べるのは控えましょう。
妊娠中でも安心して食べられるお寿司のネタ
基本的に完全に火がとおっているものであれば、妊婦さんでも安心して食べられます。
妊娠中でも安心して食べられるお寿司のネタをチェックしていきましょう。
一般的にお寿司屋さんで提供しているたまご焼きは、しっかりと火がとおっているので問題ありません。
タンパク質も豊富に含まれているので、妊婦さんにうれしい寿司ネタです。
ツナ缶のツナは水銀量を気にする必要がない、ビンナガマグロなどがつかわれています。
栄養もたくさんあるので、妊婦さんでもおいしく食べられるでしょう。
海老も水銀の心配が不要です。
ただし生食は食中毒の可能性があるので、必ず火をとおしたむし海老を選ぶようにしましょう。
むしタコもおすすめです。
むし海老と同じように、しっかり火をとおしたものを食べるようにしましょう。
納豆巻もよいでしょう。
妊婦さんにとってうれしい葉酸が含まれているほか、発酵食品なので腸内環境を整えて便通を促す効果が期待できます。
いなり寿司は油揚げを煮たものが使用されるため、生食の心配もいりません。
ただし甘く煮込んであるため、糖質量には注意しましょう。
妊娠に気づかずに食べてしまった場合は?
もし妊娠に気づく前にお寿司を食べてしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
とくに食中毒などの具体的な症状がなければ、病院受診などの必要はありません。
前述したように水銀は胎盤をとおって、赤ちゃんに届きます。
しかし胎盤は妊娠4ヶ月ごろに完成するため、それ以前に取り組んだ水銀量は減少していることでしょう。
ただし妊娠していることがわかってからは、食べる量や種類に注意することが必要です。
まとめ
水銀や食中毒などの理由から、妊娠中はお寿司や生魚の摂取は避けるようにしましょう。母体だけでなく、お腹のなかの赤ちゃんにも悪い影響をおよぼす可能性があるためです。
たまご焼きやツナマヨ軍艦など、妊婦さんでも楽しめるお寿司のネタはたくさんあります。
おいしい寿司ネタを選んで、上手に妊娠生活を過ごしましょう。