妊婦の発熱の原因と対処法!薬の服用・赤ちゃんへの影響についても解説
一言に妊娠中の熱といっても、妊娠初期と後期では発熱の意味合いも変わってきます。しかし、どちらの場合も免疫力が低下している妊婦さんにとっては、心配事のひとつです。
今回は、妊娠初期と後期に分けて発熱の原因や特徴、熱が出た時の対処法、赤ちゃんへの影響、薬の服用などについて解説します。
妊娠初期に熱が出る原因
妊娠超初期や初期は、だるさや熱っぽさを感じることがあります。この頃は、37℃前後の微熱が出ることが多く、風邪と同じように寒気やだるさを感じるため、「風邪を引いたかな」と思ってしまう人もいます。
微熱が続いたことによって妊娠に気付くこともありますが、妊娠初期の発熱はどのような原因があるのでしょうか。
妊娠初期に熱っぽさを感じるのは、女性ホルモンの一種である黄体ホルモンの増加が原因です。黄体ホルモンは、排卵日を機に受精卵が着床しやすいように増加しますが、妊娠がわかると増え続けます。この黄体ホルモンは、子宮に血液を集め収縮を防ぎ、体温を上げておく働きがあります。そのため、妊娠初期は微熱が続くようになるのです。
妊娠していない時の女性は、低温期と高温期を2週間おきに繰り返します。しかし、妊娠していると黄体ホルモンが分泌され続けるので、高温期が妊娠5週目ごろまで続きます。
また、この時期は、血液量も増え温かい血液が体中をめぐることになりますが、胎盤を作るために多くの血液が子宮に集中します。そのため、血圧が変化し、脳に酸素が行きづらくなることで熱っぽい症状やだるさを感じるのです。
妊娠すると、母体の免疫細胞は、お腹の赤ちゃんを「異物」と判断して攻撃するようになりますが、攻撃を防ぐために免疫力を低下させます。免疫力の低下とつわりが同じ時期に現れるため、少しのことでも体調を壊し発熱などの症状が現れることもあります。
妊娠すると、自律神経が乱れることもあり、顔や上半身だけにほてりのような症状が現れる場合もあります。そのため、微熱が続いているように感じてしまいます。
妊娠初期に熱が出た場合の対処法
妊娠初期は、ホルモンの変化などにより微熱が続くようになります。この時の微熱は、個人差もありますが37℃~37.5℃程度と言われています。しかし、38℃以上の熱が出るようであれば、黄体ホルモンの影響だけでない可能性もあるので注意が必要です。
また、この時に、咳や鼻水、リンパ節の腫れなどの症状が現れた場合は、ウイルスや細菌が体内に入り込んだ可能性もあります。激しい咳が続くとお腹にも負担をかけるので、注意が必要です。
妊娠初期の発熱や高熱は、ストレスや自律神経の乱れから現れることもあるので、安静にして様子を見ることも大切ですが、熱以外の症状がなくても高熱が続くようであれば、早めに病院に行くようにしましょう。
妊娠初期に薬を飲んでも大丈夫?
妊娠超初期の妊娠3週までは、赤ちゃんの神経や体の器官が作られる前なので、市販薬を飲んでも赤ちゃんに大きな影響はありません。しかし、赤ちゃんの神経や体の器官が作られる4週以降~7週の妊娠初期に薬の影響を受けると、形態異常が起こることもあるので、薬の服用には注意が必要です。
市販薬も、決められた容量用法を守って使用した程度であれば問題ないとされていますが、医師の診断を仰いだうえで服用するようにしましょう。
妊娠初期に熱が出た場合、赤ちゃんに影響はある?
妊婦さんの発熱は、赤ちゃんへの影響を考えると不安になりますが、38℃以下の熱であれば、心配する必要はありません。38℃以上の熱が出た場合も、赤ちゃんへの直接的な影響は考えられませんが、母体の体力が消耗することや咳による間接的な影響の可能性はあります。
また、40℃以上の高熱が数日続くような場合は、羊水の温度も高くなることや赤ちゃんの心拍数が上がるため、影響も懸念されます。
まとめ
妊娠中の発熱は、赤ちゃんへの影響も考えて神経質になってしまいますが、安定期に入ったら、それほど心配することはありません。しかし、心配でストレスを感じてしまうようであれば、産婦人科を受診して症状に合った薬を処方してもらうと良いでしょう。