キサンタンガムとは?効果・効能や安全性について解説

キサンタンガムとは?効果・効能や安全性について解説

化粧品や食品の成分一覧で「キサンタンガム」という名前を見たことがあるという方は多いかもしれません。増粘剤としてさまざまな場所で使われるキサンタンガムですが、具体的にはどのような特徴を持つ物質なのでしょうか。
今回は、キサンタンガムについての基礎情報をご紹介し、効果や効能について詳しく解説します。また、赤ちゃんと同居中の方にとってはとくに気になるキサンタンガムの安全性についても、根拠をもとにじっくりとお伝えします。

キサンタンガムとは

キサンタンガムは、デンプンやグルコースといった成分を1度発酵させ、そこから抽出した水溶性の多糖類です。いわゆる「バイオガム」の1種であり、バイオガムにおいては最も有名な多糖類といっても過言ではありません。短い主鎖に長い側鎖が連なることが特徴的な鎖状多糖類でもあります。
キサンタンガムは水にもお湯にも溶けるという特性がありますが、その一方で非常に耐性の強い成分でもあります。熱や酸、塩分、酵素に触れても物性を変化させることがないため、化粧成分や食品成分に使用しやすく、汎用性が高いという強みを持つことも特徴的です。
また、希少ではありますが、キサンタンガムは天然成分の1つとして見つけることもできます。キサントモナス属菌という細菌が、熱、あるいは乾燥といった自然現象から自身を保護するための膜としてキサンタンガムを備えることも確認されています。ただし、これが化粧品成分として使用されることはありません。

キサンタンガム

キサンタンガムはどんな化粧品に含まれている?

キサンタンガムは増粘剤として用いられるため、ボディケア・ハンドケア製品などに多く含まれています。それ以外にもスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品、日焼け止め、洗浄製品などに使われることがあり、既存成分にとろみを持たせるために用いられています。
しかしキサンタンガムが日本国内で最も多く使われているのは、化粧品分野ではなく食品分野です。ドレッシングやソース、缶詰などに使用する液体、プリンやゼリーといった特有のとろみが必要となる製品の材料として使われる機会が多く、食用として用いられるという特徴を備えています。

キサンタンガムが含まれる

キサンタンガムの効果・効能キサンタンガムが含まれる

キサンタンガムから期待できる効果・効能は増粘作用の1点です。既存成分にキサンタンガムを加えることにより、液体などにとろみを持たせられます。増粘作用にも材料によってさまざまな特性が生まれるため、キサンタンガムの増粘作用にはどのような特徴があるのかを解説します。

キサンタンガムの効果・効能

シュードプラスチック性が高いことが特徴的

キサンタンガムの特徴として最も大きいのは、シュードプラスチック性が高いというものです。シュードプラスチック性とは、外部からの力が加わったときに粘度が低下するという作用を示すものであり、キサンタンガムはこの値が高いため、咀嚼した瞬間などにドロドロした感触を抱きにくいという特性があります。

濃度が低くても高い粘度を出せる

キサンタンガムは、配合する際の濃度が低くても高い粘度を出せます。たとえば濃度が0.2%という状況下においては、グアーガムやローカストビーンガムと比較して10倍以上の粘度を持ちます。タマリンドガムと比べると、20倍以上という強い濃度を出すことが可能です。
これは、キサンタンガムの配合量が少なくても十分な効果を発揮することを示す重要なデータです。食用として使用されることからもわかるように、キサンタンガムに有毒性は認められませんが、低濃度で使用できるということはより安全性が高まると考えられ、化粧品成分や味覚への影響も最小限に止められます。

そのほかの成分との相乗効果を見込める

キサンタンガムにはゲルを形成する効果がありませんが、ローカストビーンガムなどの成分と併用することにより、ゲル化が可能です。そのほかの成分との相乗効果により、さらに粘度を高められるため、ほかの増粘剤をサポートする役目を任されることもあります。

キサンタンガムの安全性

キサンタンガムは、薬添規2018規格をクリアした成分として認められており、医薬品添加物規格2018に収載されています。さらに医薬部外品原料規格2006にも収載されているため、厚生労働省によるある種のお墨付きを受けた成分として安全性を評価できます。
皮膚刺激性や眼刺激性については、動物実験が繰り返し行われています。いずれの結果においても「日刺激性」であることが認められているため、肌や目に異常を引き起こすことは考えられません。赤ちゃんでも問題なく触れて、使用できる成分と結論付けられます。
キサンタンガムが10年以上にわたって化粧品成分として、そして食品として使用されてきた歴史を持っています。この間に有毒性に関する報告は一切認められておらず、安全な成分として繰り返し使用されてきたという事実もあります。
赤ちゃんに対しても、まったく問題なく使用できる成分です。キサンタンガムが単体で使われることはないため、そのほかの成分の内容には注意すべきですが、あくまでもキサンタンガムに限れば食用として用いられる成分であるため、舐めてしまったとしても体調を悪化させる心配がありません

キサンタンガムを使用する際の注意点

これまでに化粧品用や食用として実用されてきた経歴や、動物実験による結果を見れば、キサンタンガムに危険性がないことは明らかです。あえて注意点を伝えるとするならば、有効なヒト試験が行われていないことですが、この点についてもとくに憂慮すべきものではありません。

まとめ

キサンタンガムは、化粧品用に使われるだけではなく、食品に仕上げる際にも使われることが多い成分です。高い増粘性を持つことから、キサンタンガムを使用した製品や食品には特有のとろみが生まれます。
ヒト試験こそ行われていませんが、外原規2006などにも収載されるほどの安全性を持ち、10年以上の歴史において重大な事故も起こしていません。赤ちゃん用の製品に含まれていたとしても、安全に使用できる成分です。

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