母乳とミルクの混合栄養とは?メリット・注意点や進め方について解説

母乳とミルクの混合栄養とは?メリット・注意点や進め方について解説

赤ちゃんの成長に欠かせない栄養源は大きく分けて「母乳」「ミルク」「混合」の3つに分けられます。母乳だけであればいくらでも与えてよいですし、ミルクだけであれば規定量を守って時間で区切った与え方をすれば問題ありません。
では、母乳とミルクの混合、栄養にするとどのようなサイクルになるのでしょうか。また、混合栄養のメリットや注意点はあるのでしょうか。
今回は、母乳とミルクの混合栄養について詳しく解説します。混合で育てようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

母乳・混合・ミルク、みんなはどうやって育ててる?

厚生労働省は平成27年度に「乳幼児栄養調査」を実施しました。6歳未満の子どもがいる2,992世帯の合計3,936人の子どもを対象に調査した結果、以下のようなことがわかりました。

母乳を与えることは赤ちゃんにとってもお母さんにとってもメリットが多いので、母乳を使った育て方をしている人が多いことがわかりました。
母乳の次に多いのが混合栄養です。この混合栄養も含めると、母乳を与えて育てている人の割合は生後1ヶ月で96.5%、生後3ヶ月で89.8%に上ります。

赤ちゃんを混合栄養で育てるメリット

母乳とミルクとでは、それぞれにメリットがあり、混合栄養で育てることでそれらのよい所を取れることになります。母乳とミルクのメリットを知ることで、より上手に母乳とミルクの使い分けができるようになるでしょう。

母乳栄養のメリット

母乳は赤ちゃんの成長にしたがってその成分を変化させるため、その時に一番必要な栄養素を与えられます。
また、栄養だけでなく免疫も与えられるため、病気にかかりにくい丈夫な体を作ってくれます。ミルクを購入する必要がないため経済的で、授乳することによって母体の回復も早めてくれる優れものです。

完全ミルクのメリット

ミルクは腹持ちがよいため、赤ちゃんが長く機嫌のよい状態でいられます。その結果、授乳することで感じる負担や疲労を感じることなく育児を進められます。
哺乳瓶で誰でも与えられるので、お母さんに出掛ける用事ができたとしても、誰かに預けることが簡単です。
現在のミルクは母乳に近い成分で作られている上に、母乳では不足しがちな栄養もしっかりと入っているので、赤ちゃんの成長に役立ちます。

赤ちゃんを混合栄養で育てる際の注意点

混合栄養は母乳とミルクのメリットをどちらも得られますが、同時にデメリットも両方受けることになる可能性があります。

赤ちゃんを混合栄養で育てる際の注意点

乳頭混乱を起こす可能性がある

まず、母乳を与えられた赤ちゃんは哺乳瓶を嫌がるかもしれません。そして、それとは逆に哺乳瓶の方を好んでしまい、おっぱいを拒否する赤ちゃんもいます。
これを乳頭混乱と言い、混合栄養にすることでよく起こるトラブルのひとつです。

ミルク代がかかる

完全ミルクよりは量が少ないとはいえ、ミルク代は必ずかかってきます。とくに、ミルクをメインに混合栄養を進めた場合は、完全ミルクに匹敵するくらいのミルク代がかかります。
また、ミルクを飲ませる哺乳瓶の消毒も必要となるため、消毒薬や消毒用の容器、予備の哺乳瓶などが必要です。

授乳時間が長くなりがち

赤ちゃんに飲みたいだけ母乳を与えた後にミルクを与えるのが、母乳メインの混合栄養のやり方です。
「授乳している時間+ミルクを作って与える」という工程を踏まなければならないため、完全母乳や完全ミルクよりも授乳に時間がかかってしまいます。
とくに夜中にミルクを作ることは手間がかかるため大変です。寝る前にミルクを飲ませて夜中は添い乳のみでしのぐといった工夫も必要でしょう。

乳頭のケアにも気を配る必要がある

授乳している期間は乳頭のケアが必要になってきます。乳頭を柔らかい状態にしておかなければ、切れて激痛を感じたり、場合によっては出血したりもします。
また、乳頭だけでなくおっぱいのマッサージもしておかなければ、乳腺が詰まったり、母乳の出が悪くなったりしてしまいます。

混合栄養の進め方

混合栄養の進め方を知るには、自分が「母乳メインにする」のか「ミルクメインにする」のかを決めなくてはなりません。
それぞれに進め方があるので、どちらをメインにするかを決めた上で読み進めましょう。ただし、混合栄養の進め方は大まかな決まった流れはありますが、細かいことはその人の生活スタイルや母乳の状態などによって異なります。
自分と赤ちゃんがやりやすい方法を模索していくことが大切です。

母乳がメインの場合

授乳の順序は母乳→ミルクです。15分以上咥え続けている場合や満腹にならずに泣き止まない場合などにミルクを足します。
日中は母乳のみで過ごし、寝る前にミルクを与える方法もあります。
ミルクは消化に時間がかかるため、飲ませ過ぎると母乳の飲みが悪くなり、その結果母乳の分泌も悪くなってしまうので、あくまでも「足りない分を補う」といった形で進めていきましょう。

ミルクがメインの場合

腹持ちがよいミルクは裏を返せば消化が悪いことになるため、赤ちゃんが欲しがるだけあげるということができません。規定の量や授乳間隔を守って与えることが大切です。
ミルクがメインの場合、主食がミルクで、母乳はおやつや精神安定剤的なイメージです。出ている量は少なくてもお母さんのおっぱいを咥えているだけで、赤ちゃんは安心できるものなのです。

まとめ

メリットとデメリットの混在する混合栄養ですが、上手に母乳とミルクを使い分けて赤ちゃんに大切な栄養を与えてあげましょう。
母乳は授乳や搾乳をしなければどんどん分泌量が減っていってしまうものです。混合栄養で育てる場合は、母乳の分泌が止まってしまわないように、赤ちゃんにおっぱいを咥えさせてあげることが大切です。
母乳が足りない人やすぐに仕事復帰をしなければならない人など、人の事情はさまざまです。その生活スタイルに合ったやり方で育児を進めていくことは、ストレスの少ない健やかな育児につながるでしょう。

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