母乳が出ないのはなぜ?母乳が出ないときの原因と対処法

母乳が出ないのはなぜ?母乳が出ないときの原因と対処法

生まれたときから母乳育児をしようと考えていたママにとって、母乳が出ない、あるいは母乳が少ないというのは大きな悩みですよね。「赤ちゃんに十分な栄養が与えられないのではないか」「免疫力は大丈夫か」など、赤ちゃんを思って不安になってしまうこともあるでしょう。
そこで今回は、母乳が出ない原因や対処法についてお伝えします。気になる原因を見つけたら、少しずつ改善できるように意識してみてくださいね。

母乳はどのように作られる?

まずは、母乳はどのように作られていくのか見ていきましょう。

母乳は血液から作られる

母乳の色から想像すると「まさか」と驚くかもしれませんが、母乳はママの血液からできています。血液が乳腺にある乳腺葉に運ばれ、そこで母乳が作られているのです。そして、作られた母乳は乳管を通って乳頭に流れ、赤ちゃんが吸うことで乳首にある乳口から出るという仕組みになっています。

吸われることで分泌される

赤ちゃんが乳首を吸うと、その刺激によって脳内から2つのホルモンが分泌されます。これが母乳を作るためのプロラクチンと、母乳を押し出すためのオキシトシンです。つまり、赤ちゃんが飲めば飲むほど母乳が作り出されます。赤ちゃんに吸われることで徐々に分泌量が増していくものと考え、分泌量が安定するまではあきらめずに根気強く授乳を続けていきましょう。

母乳が出ない原因8

では、母乳分泌のメカニズムを踏まえ、母乳が出ない・出にくい原因について見ていきましょう。

1 ママも赤ちゃんも授乳に慣れていない

生まれて間もない赤ちゃんは、上手に母乳を吸うことができません。また、母乳を飲ませるのが初めてのママも、いきなり上手に飲ませることは難しいですよね。お互いの経験不足が原因で、赤ちゃんが吸う母乳の量が少なくなってしまい、そのために次の母乳が作られないというケースも十分考えられます。

2 陥没乳頭・扁平乳頭

ママの乳首が陥没乳頭・扁平乳頭の場合、赤ちゃんが口に含みにくいことから、母乳を吸う量が少なくなり、その結果次の母乳が作られないというケースもあるでしょう。
陥没乳頭とは、乳頭が内側に入り込んでいる状態、扁平乳頭は乳首が短い状態で、いずれも赤ちゃんにとって口に含みやすい形状とは言えません。ただし、あくまで口に含みにくいという点から、赤ちゃんが慣れてくればちゃんと吸えるようになるケースもあります。

3 授乳リズムが乱れている

何らかの事情で授乳リズムが乱れると、乳房への刺激が少なくなるので母乳の分泌量が減ることもあります。たとえば、赤ちゃんが夜まとまった時間に寝られるようになると、生活リズムは作りやすくなるのですが、授乳間隔が開いてしまうことでリズムが狂ってしまうこともあるようです。

4 うつ乳状態

長時間にわたって母乳がたまっている状態が続くと、乳房が張りすぎて固くなり出なくなることがあります。これが「うつ乳」という状態で、痛みや発熱を伴うこともあり、症状が続くと乳腺炎になるケースもあります。

5 乳腺に母乳が詰まる

飲み残した母乳が蓄積されたり、ママの体内の水分量が不足したりすることによって、乳腺が詰まってしまうケースもあります。この場合、しこりができたりむくんだりするほか、乳房の赤みや痛みを伴うこともあるので要注意です。

6 乳口が詰まる

母乳の出口となる乳口が詰まることで、母乳が出にくくなるケースもあります。この原因は「白斑」と呼ばれるものです。白斑とは、乳頭の先端にできる小さな白い斑点で、脂肪分が詰まっている状態です。白斑ができるとニキビに似た痛みを伴い、これが長く続くと乳腺炎を引き起こすこともあります。

7 体の冷えやストレスなど

体が冷えると血行が悪くなりますよね。そもそも母乳は血液から作られているので、ママの血行が悪くなることで母乳が出にくくなることもあります。また、赤ちゃんが生まれてからしばらくの間、ママの生活はかなり不規則です。睡眠不足や疲れなど、さまざまなストレスを抱えることが多くあります。それが原因で母乳の出が悪くなるということも十分考えられるでしょう。

8 その他の原因

まれなケースですが、出産時の過度な貧血、乳腺の発育不全、ママの既往歴によって母乳が出ない、あるいは出にくいということもあります。

母乳が出ないときの対処法6

ここまで母乳が出ない原因についてお伝えしてきましたが、ケースによっては自分で改善できることもありそうですよね。では、具体的な対処法を見ていきましょう。

赤ちゃんにしっかり吸ってもらう

しっかり母乳を吸ってもらうためには、赤ちゃんとママが授乳に慣れていくことが大切です。体勢や乳首の含ませ方など、ベストポジションを見つけられるように頑張ってみてください。また、できるだけ母乳の飲み残しがないように、赤ちゃんにたっぷりと吸ってもらってくださいね。

不必要なミルクは与えない

「母乳が足りていないかも」と心配になって、赤ちゃんにミルクを飲ませようと考えることもあるかと思いますが、順調に発育しているのであれば、基本的に不必要なミルクは与えないようにしましょう。これは、飲む母乳の量が少なければ、分泌される母乳の量もどんどん減ってしまうためです。また、赤ちゃんが人工乳首に慣れてしまうと、ママの乳首から母乳を飲むことを嫌がるようになるケースもありますので、必要な分だけにしておいてくださいね。

乳房を適度にマッサージをおこなう

授乳中に乳房をやさしくマッサージすることで、母乳の流れを助け射乳を促す効果があります。また、乳管の詰まりがある場合も、マッサージで改善することがありますのでぜひ試してみてくださいね。

ヘルシーな食事を心がける

高脂質・高カロリーな食事は乳管を詰まらせる原因になります。味付けは薄めにし、ヘルシーな食生活を意識してみてください。

ママ自身がリフレッシュする

赤ちゃんが小さいうちは、なかなかママはリフレッシュしにくいものです。ですが、何かしら発散法を見つけて、ストレスをためないようにしましょう。周囲の人に協力してもらって、たまにはゆっくり睡眠をとるなど、できることから工夫してみてくださいね。

適度に搾乳する

授乳間隔があいてしまう場合や、赤ちゃんが母乳を飲み残した場合には、適度に搾乳しておきましょう。自分で搾乳するのが難しいのであれば、搾乳機を使うのもおすすめです。

まとめ

今回は、母乳が出ない原因や対処法についてお伝えししました。さまざまな原因が考えられますが、基本的には改善できることが多いので、あまり悩みすぎないでくださいね。なかなか改善されないのであれば、医師や助産師に相談してみてください。一人で抱え込んでしまうのが最大のNGですよ!

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