妊娠中の下痢の原因とは?赤ちゃんへの影響や下痢のときの注意点

妊娠中の下痢の原因とは?赤ちゃんへの影響や下痢のときの注意点

妊娠中のママの体には、さまざまな変化が現れます。しっかり寝たのに眠い、情緒が不安定になる、暑さや寒さに敏感になるなど、症状は人それぞれ。下痢をしやすくなったというママもいます。ですが、おなかの不調は、赤ちゃんが育っている位置に近いこともあるので心配ですよね。
そこで今回は、妊娠中の下痢の原因や赤ちゃんへの影響、下痢のときの注意点をお伝えします。

妊娠中に下痢をするのはなぜ?

妊娠中の下痢の原因

1.妊娠すると体内に女性ホルモンが多く分泌されるため
2.心身の変化によるストレスが増えるため
3.赤ちゃんが大きくなるにつれて胃腸が圧迫されるため
4.つわりや吐き気や嘔吐で冷たいものを食べすぎるため
5.免疫力の低下で細菌感染や食中毒にかかりやすいため
6.処方される鉄剤の副作用のため

妊娠中の下痢の原因

1.女性ホルモンの影響

妊娠すると、体内に女性ホルモンが多く分泌されるようになります。その一つがプロゲステロン。このプロゲステロンには腸の動きを抑える働きがあるため、便が腸に長く滞在することになります。つまり、どちらかというと便秘気味になること多いのですが、硬い便がやっと排泄されたことをきっかけに、軟便または下痢便になってしまうこともあります。

2.ストレスの影響

妊娠すると、心身の変化によるストレスが増えることがあり、これが原因で自律神経が乱れて下痢を引き起こすこともあります。できるだけストレスをためないように気を付けると同時に、自分に合ったストレス発散法も探してみてくださいね。

3.胃腸が圧迫されている

赤ちゃんが大きくなるにつれて胃腸が圧迫され、本来の働きができなくなることもあります。そうすると、消化不良から下痢を引き起こすことも。これは、赤ちゃんが順調に成長している証拠でもありますので、一時的なものとして乗り越えていくしかないでしょう。

4.食事の変化

つわりは、多くの妊婦さんが経験することですが、その症状として多いのが吐き気や嘔吐。この時期は思うように食事ができなくなるので、食べられるときに食べられそうなものを口に入れて栄養補給するので精一杯という妊婦さんも多いでしょう。その際に、さっぱりしたものや冷たいものをチョイスするのも珍しくありませんが、冷たいものを食べすぎるとおなかが冷えて下痢になってしまうことがあります。
また、つわりが治まると、今度は食欲増進。それまでの栄養を取り戻すかのようにたくさん食べるようになりますが、食べすぎると消化が間に合わず下痢をすることもあります。とくに、味付けが濃いものや脂っこいもの、刺激の強いものは注意が必要です。

5.免疫力が低下している

妊娠中は免疫力が低下するので、細菌感染や食中毒などの可能性もあります。下痢以外にも、風邪やインフルエンザなど、さまざまな病気に注意が必要な時期です。

6.鉄剤の副作用

妊娠中は貧血になりやすいので、鉄剤が処方されることがあります。鉄剤を飲み始めたばかりの頃は、副作用として下痢などの症状が現れることもありますが、気になるようであれば医師に相談してみてくださいね。

妊娠中の下痢は赤ちゃんに影響する?

妊娠中に下痢をすることで一番心配なのは、赤ちゃんへの影響ではないでしょうか。赤ちゃんの近くで起こる体の変化なので、何かあったらどうしようと不安ですよね。
しかし、下痢そのものが赤ちゃんに直接影響をおよぼすものではありませんので、普通の下痢であれば深く考えなくても大丈夫。それよりも、下痢をするとママの体に負担がかかりますし、赤ちゃんに十分な栄養が送れなくなってしまうので、早く治すことを考えていきましょう。

下痢のときに注意すべき4つのこと

下痢のときに注意すべき4つのこと

脱水に注意する

下痢をすると大量の水分が出てしまうので、水分補給を心がけてください。とくに妊娠中は血液が固まりやすいので、十分な水分を摂って脱水を予防し、血栓など重篤な症状につながらないようにしましょう。

食事に注意する

下痢のときには、冷たいものはもちろんのこと、胃腸に刺激になるような食事は控えるようにしましょう。食物繊維や脂肪の少ない食材を選んで、消化しやすい調理法を心がけてください。また、酸味や辛味の強いものは我慢してくださいね。

体を冷やさないようにする

体を冷やさないために冷たい食べ物を控えるのも大切ですが、体を冷やさないことも重要です。部屋を冷やしすぎないこと、外出先ではブランケットなどで保温すること、腹巻を使うことなど、外側からも体を守っていきましょう。

勝手に下痢止めを服用しない

下痢止めに限ったことではありませんが、妊娠中に服用していい薬は限られていますので、自己判断で選ばないようにしましょう。医師や薬剤師に相談して、妊娠中でも飲める薬であるか確認するようにしてください。

こんなときは受診しよう

下痢だけであれば大きな心配はいりませんが、次のような症状がある場合にはすぐに受診するようにしましょう。

嘔吐や発熱を伴う下痢

嘔吐や発熱を伴う下痢の場合、ウイルスや細菌の感染症も考えられます。感染症によっては人に移してしまうこともありますし、高熱が続くと体への負担が大きくなりますので、早めに的確な治療を受けるようにしましょう。

不正出血

妊娠初期の不正出血はよくありますが、妊娠中期の場合、切迫流産などの可能性も考えられます。この場合、早急に受診するようにしてください。

規則的な腹痛やおなかの張り

下痢のときには腹痛を伴うことが多いのですが、規則的な腹痛やおなかの張りがある場合にも切迫早産の可能性があります。早めに受診するようにしましょう。

まとめ

今回は、妊娠中の下痢の原因や赤ちゃんへの影響、下痢のときの注意点についてお伝えしました。妊娠中は、ホルモンやつわりの影響で下痢を起こすこともあります。普通の下痢であれば赤ちゃんに影響はありませんので、あまり心配しないでくださいね。体を温め、食事に気を付けるなど、早く便秘が治るように工夫してみてください。ただし、下痢以外の症状が現れたら早めに受診しておきましょう。