ユキノシタエキスとは?効果・効能や安全性について解説

ユキノシタエキスとは?効果・効能や安全性について解説

天然成分であるユキノシタエキスは、非常に多くの作用をもつ化粧品成分として、近年注目度が高まっています。お手持ちの化粧品の中にも当該成分が使用されている可能性がありますので、とくにご家庭に赤ちゃんがいるママは、安全性が気がかりになるのではないでしょうか。
今回は、ユキノシタエキスがどのような化粧品に含まれることが多いのかという点を筆頭に、成分がもつ効果と効能、安全性や使用上の注意点を解説します。危険性の有無について、使用前に詳しく理解しておきましょう。

ユキノシタエキスとは

ユキノシタエキスは、日本国内では本州南部に生息しているユキノシタという植物から抽出したエキスです。ユキノシタの全草に水やエタノールといった混合液を混ぜ、これを抽出することによって得るエキスで、生息地や品質によって、成分の配合バランスが若干異なることが特徴です。
成分組成としては、アルブチンアントシアン、塩化カリウム、硝酸カリウムなどが含まれることで知られています。化粧品成分としてだけでなく、西洋医学・東洋医学の両面で活用されることがあり、主に抗菌・利尿・解毒作用が期待されて使用されます。

ユキノシタエキス

ユキノシタエキスはどんな化粧品に含まれている?

ユキノシタエキスがもつ効能は、多岐にわたります。前述した抗菌作用を筆頭に抗炎症作用や、バリア改善作用をもつことも特徴ですので、肌荒れをケアするための化粧品に使われることもあれば、洗顔料、スキンケア化粧品、日焼け止め関連アイテムに配合されることも珍しくありません。
チロシナーゼという肌を黒くさせる作用をもつ酵素の活動を阻害する作用もあるため、美白化粧品に使用されることもあります。とても万能な役割をもつ天然成分であることから、大人用の商品のみならず、赤ちゃん用の化粧品成分として使われることもあります。

ユキノシタエキス配合の化粧品

ユキノシタエキスの効果・効能

医薬品として使用されることもあるユキノシタエキスは、さまざまな化粧品に配合される成分です。抗アレルギー・バリア改善・美白と、実に多くの役目を果たす成分として知られていますので、それぞれの項目における効果や効能に詳しく解説します。

即時性アレルギーを防ぐ効果に期待できる

即時性アレルギーとは、蕁麻疹のような非常に速やかかつシンプルなプロセスを通して引き起こされるアレルギーです。ユキノシタエキスには、このアレルギーを引き起こす原因のひとつであるヒスタミンを抑制する効果が備わっており、抗アレルギー性に期待できます。
そのほかの植物抽出物を合わせて使用することにより、さらに多くの抗アレルギー性をもつことでも知られています。ヒト試験の結果によって、アトピー性皮膚炎を回復させる効果についても実証されており、これが医薬品としても用いられる要因のひとつとなっています。

即時性アレルギーを防ぐ効果に期待できる

セラミドを合成させてバリア機能を改善させる

角質層のバリア機能を高めるために有効な存在としては、セラミドが有名です。アンチエイジング効果をもたらす化粧品にもセラミドは多く配合されていますが、ユキノシタエキスには、このセラミドの合成を促進する効果があると考えられています。
セラミドは、細胞間に存在する資質のうち5割以上を占める成分であることから、バリア機能をもたらす上で重要な機能を果たします。セラミドを体内で合成させることは難しく、この合成を促進するユキノシタエキスからは、バリア機能改善効果を望めます。

セラミドを合成させてバリア機能を改善させる

美白作用

ユキノシタエキスがもつ特徴としてもう1点挙げられるのが、美白作用です。肌を黒ずませる原因としてメラニンがよく知られていますが、このメラニンを合成させる悪役となるのが、チロシナーゼという酵素です。ユキノシタエキスには、このチロシナーゼの活性を抑える効果が備わっています。
これにより、ユキノシタエキスからは、肌を生まれもったままの状態の色に止める効能に期待できます。日焼け止め、あるいは美白化粧品の成分としてユキノシタエキスが多用されるのはこのためであり、赤ちゃんへのメラニン対策としても用いることが可能です。

チロシナーゼの活性を抑え美白作用がある

ユキノシタエキスの安全性

ユキノシタエキスは非常に有効性の高い成分であることがわかりましたが、皮膚刺激性などの問題点が見られることはあるのでしょうか。赤ちゃんの肌に触れても問題がない成分なのかどうか、根拠をもとにして解説しましょう。
まず懸念材料としてお伝えしなければならないのは、皮膚刺激性・アレルギー性・眼刺激性というすべてのデータにおいて、十分な研究結果が出揃っていないことです。ヒト試験が実施された形跡が残されておらず、ユキノシタエキスが人体にどのような影響を与えるのかは、まだ完全に解明されていません。
データ不足という点は否めませんが、その一方で、2000年代以降から我々にとって身近な化粧品に使用される機会が増えており、重大なトラブルが報告されたことはありません。これにより、大きな皮膚刺激やアレルギー反応などを過剰に心配する必要はないことがわかります。
また、医薬部外品原料規格2006にもユキノシタエキスが収載されており、安全性について一定の評価を受けています。懸念材料が皆無とはいえませんが、厚生労働省としては、安全性に問題はないという立場をとっているものと考えられます。

皮膚刺激やアレルギー反応など過剰に心配する必要はない

ユキノシタエキスを使用する際の注意点

副作用などについての報告例がないため、使用上の注意点はとくにありません。前述したように、研究結果に乏しい点には注意すべきであり、安全に対する確実性をお求めならオススメはできませんが、天然成分でもあることから、過剰に心配する必要はありません。

まとめ

ユキノシタエキスは医薬品として使われることもある成分で、化粧品成分としては日焼け止めや洗顔料などに用いられます。セラミドを合成する効果をもち合わせており、美白化粧品に使われることも珍しくありません。

ヒト試験による研究結果は出揃っていませんが、外原規2006に収載されていることなどから、一定の安全性を確認することができます。10年以上にわたって身近な化粧品に使われている天然成分であるため、赤ちゃんの肌についても安全と判断できます。

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