イソヘキサデカンとは?効果・効能や安全性について解説

イソヘキサデカンとは?効果・効能や安全性について解説

赤ちゃん用のスキンケアアイテムにも表示されている成分の一覧。見たこともないような名称がずらっと並んでいますよね。製品そのものに「ベビー用」と明記されてはいるものの、やっぱり本当に安全なのか気になる…というママパパも多いでしょう。
そこで今回は、イソヘキサデカンについて、効果・効能・安全性がどのようなものかお伝えします

イソヘキサデカンとは

イソヘキサデカンとは、植物由来のパルミチン酸イソパルミチン酸を原料に作られた、炭素数16の分岐した構造を持つ流動性の高い液状炭化水素です。化粧品の成分としてはイソヘキサデカン、医薬部外品に配合される際には「軽質イソパラフィン」と表示されます。
そして、化粧品などの製品において70~100%を占めるのが「ベース成分」ですが、そのベース成分の中で、イソヘキサデカンは「油性成分」に分類されています。油性成分のうち、イソヘキサデカンと同じ炭化水素である成分の代表と言えば、ワセリンやミネラルオイル、スクワラン。これらの成分は耳にしたことがある方も多いはずですので、イメージしやすいかもしれませんね。

イソヘキサデカンとは

イソヘキサデカンはどんな化粧品に含まれている?

ベタつきのない軽い質感や保湿効果などの特徴を持つことから、私たちの身の回りにある多くの製品にイソヘキサデカンが含まれています。たとえば、メイクアップ化粧品やスキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品やヘアケア製品など、私たちが日常的に使うものです。赤ちゃん用のアイテムですと、ローションやオイル以外に、UVケア製品やおしりふきなどにも使用されています。

イソヘキサデカンを含む化粧品

イソヘキサデカンの効果・効能

では、イソヘキサデカンの効果・効能を見ていきましょう。

水分の蒸発を防ぐエモリエント作用

イソヘキサデカンは、皮脂の代わりに皮膚表面に皮脂膜を作って水分の蒸発を防ぐ「エモリエント作用」に優れています。また、水分の蒸発を防ぐことで角質層を一時的に柔軟化し、皮膚のコンディションを整える効果も期待できます。

ほかの油性成分を溶かし込む

イソヘキサデカンは、ほかの油性成分を溶かし込む効果も高く、溶剤として使用されることもあります。その上、酸化に対する安定性が高く、ベタつかないという点も大きな特徴です。

イソヘキサデカンの効果・効能

イソヘキサデカンの安全性

米国化粧品工業会(CTFA)理事会によって、科学者の判断で化粧品成分の安全性を判定することが目的とされて設立されたCIR機構の化粧品成分総点検(Cosmetic Ingredient Review)
によると、次のような安全性データが得られています。

イソヘキサデカンとは

この結果は、ヒト実験や動物実験によって得られたデータですので、適切な配合量や使用方法の範囲であれば、安全性には問題ないと考えてよいでしょう。また、医薬部外品としても、安全性の基準を満たした成分として「医薬部外品原料規格2006」に収載されていますので、基本的に安全性が高いと言えます。
なお、基本的に皮膚への刺激性とアレルギー性については、いずれもほとんどなしとの結果が得られていますが、もともと皮膚炎を起こしている場合には、未希釈での実験時に陽性反応が確認されています。

イソヘキサデカンを使用する際の注意点

イソヘキサデカンは安全性が高いため、基本的には赤ちゃんにも使用できます。ただし、皮膚炎を起こしている状態での実験結果では、完全によい結果が得られたわけではありません。イソヘキサデカンを希釈なしで使用することはないにしても、赤ちゃんの皮膚はとても薄くてバリア機能が未熟です。どんなに優しい成分で作られていても、場合によっては肌トラブルの原因となる可能性は否定できません。
また、一つの製品にも複数の成分が含まれていますので、イソヘキサデカンには問題がなかったとしても、そのほかの成分が原因で肌トラブルを引き起こすことも考えられます。そのため、赤ちゃんが初めて使う製品は、必ずパッチテストをするようにしましょう。パッチテストとは、製品に含まれる成分に対して、赤みや痒み、かぶれなどが起こらないかを事前に調べるためのテストです。
パッチテストには複数のやり方がありますが、赤ちゃんの場合はより念入りに、3日間ほどかけて様子を見たほうが安心です。次にご紹介する方法を参考にしてください。

① 清潔な肌に少量塗る

お風呂上がりなどの肌が清潔なタイミングで、皮膚が薄くて敏感な二の腕の内側に製品を塗ります。その際、10円玉ほどのサイズで、しっかり肌に刷り込むイメージで塗っていきましょう。

② 3~4時間後に様子を見る

3~4時間経過したら、塗った箇所の様子を確認します。この段階で赤みやかぶれが出ている場合には、すぐに洗い流してパッチテストを終了してください。

③ 3日間繰り返す

翌日も入浴後の清潔な肌に製品を塗るということを繰り返して、3日間続けて異常がなければパッチテストは終了です。

スキンケアアイテムのパッチテスト

なお、スキンケアアイテムのパッチテストでは、皮膚が薄い二の腕などに直接原液を塗りますが、せっけんやシャンプーのパッチテストの場合は原液をそのまま塗らないようにしましょう。この場合、原液を精製水で薄めたものを使用します。ガーゼに染み込ませて塗布するか、絆創膏のガーゼ部分に塗ってから貼ってあげてくださいね。

まとめ

今回は、イソヘキサデカンの効果や効能、安全性についてお伝えしました。イソヘキサデカンは、水分の蒸発を防ぐエモリエント作用に優れ、溶剤としても多く使用されている成分です。基本的には安心して使えるものですが、念のためパッチテストを行ってから使い始めるようにしてくださいね。

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