赤ちゃんの吐き戻しは普通?それとも病気?吐き戻しの原因と対処法とは
赤ちゃんの吐き戻しは多いと言われますが、量や回数が多いとママパパも心配ですよね。たしかに、赤ちゃんの吐き戻しは生理的なものが多いのですが、まれに病気が原因であることも考えられます。
そこで今回は、赤ちゃんに多い吐き戻しの原因や対処法、受診の目安についてお伝えします。
赤ちゃんの吐き戻しには2つのタイプがある
赤ちゃんの吐き戻しには2つのタイプがあります。それが、溢乳(いつにゅう)と嘔吐です。
赤ちゃんの胃の形は、大人と違って真っすぐですし、胃の入り口の筋肉が未発達なので、一度胃の中に入ったものが出やすくなっています。そのため、母乳やミルクを飲んだ後、口からダラッと戻してしまうことも。これが溢乳です。そして、ダラッと吐くのではなく、勢いよく吐いてしまう状態が嘔吐。この場合、生理的要因以外の疑いもありますので注意が必要です。
赤ちゃんに多い吐き戻しの原因と対処法
では、赤ちゃんに多い吐き戻しの原因を見ていきましょう。一緒に対処法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
赤ちゃんは、母乳やミルクを飲むとき、たくさんの空気を一緒に飲み込んでしまいます。そのままにしておくと飲み込んだ空気と一緒に母乳やミルクを吐き出してしまうため、授乳後にはげっぷをさせなければならないのですが、このげっぷが不十分だと吐いてしまうことがあります。
よく、母乳を乳首から飲んでいる赤ちゃんはげっぷをさせなくても大丈夫と言いますが、新生児期の赤ちゃんは上手に吸えないことが多いので、哺乳瓶ほどではなくても空気を飲み込んでいます。そのため、安心しきってはいけません。
げっぷが原因で吐き戻しをする場合の対処法は、ズバリ「げっぷを出すこと」。ただ、毎回完璧なげっぷが出る赤ちゃんばかりではありませんよね。その場合、姿勢を変えてみる、授乳途中でげっぷを出させるなどの工夫をしてみましょう。なお、なかなかげっぷが出ない場合、5分ほどで切り上げ、赤ちゃんの右半身を下にして横向きに寝かせ、しばらく様子を見てあげてください。げっぷを卒業する時期は生後3~5ヶ月頃。それまでの間、ママパパのストレスになりすぎない程度に頑張ってみてくださいね。
生後1~2ヶ月頃までの赤ちゃんには、おなかがいっぱいという感覚がほぼないと言われます。つまり、与えられたら与えられただけ飲んでしまい、結果として飲みすぎてしまうことも。小さな胃に入りきらなかった母乳やミルクは、当然吐き戻してしまいますよね。とくに、赤ちゃんが飲んでいる量がはっきりとわからない母乳の場合に多いようです。
赤ちゃんが泣いたら「母乳が足りないのかも?」と与えてしまいがちですが、泣いている理由が母乳不足とは限りません。十分飲んでいるのに母乳を与えてしまうことで吐き戻し、吐いたからまた泣くので母乳を与える…。これでは悪循環。吐き戻しが多いときには、直母量を測ってみましょう。医師や助産師に相談して、母乳の出具合や赤ちゃんの体重増加具合などをしっかり把握することをおすすめします。
赤ちゃんの嘔吐は病気が原因である可能性も
まれに、病気が原因で嘔吐することもあります。では、赤ちゃんに多いケースを見ていきましょう。
ウイルス性胃腸炎によって赤ちゃんが嘔吐することもあります。ただし、この場合には下痢や腹痛、吐き気や発熱を伴うことがありますので小児科を受診するようにしましょう。
一度胃の中に入ったものが逆流してしまう胃食道逆流症の疑いもあります。この場合、嘔吐以外にも、神経過敏や哺乳障害、耳の痛み、声のかすれ、しゃっくり、咳やゼイゼイとした呼吸、肺炎などの症状が現れるので、その場合には早めに受診しましょう。基本的には自然治癒する病気ですが、まれに「乳幼児突発性危急事態(ALTE)」という危険な状態に発展してしまうことがあるため注意が必要です。
授乳後5分以内に嘔吐するような場合、肥厚性幽門狭窄症が疑われます。これは、胃と十二指腸がつながる部分(幽門)が狭くなってしまう病気で、突然噴水のように噴き出す嘔吐が特徴。これが続くと、体重減少や脱水症状が現れることがありますので、早めに受診が必要です。
なお、肥厚性幽門狭窄症は約900人に1人の割合で発症するもので、生後2週間~3ヶ月頃までに多いと言われています。また、原因は特定されていないものの、発症する男女比は5:1。男の子に多く、その中でも第1子に多い傾向があるようです。