取材・相談してきました!

第3回は絵本専門士とは?国立青少年教育振興機構にインタビューしてきました。

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絵本専門士、実は奥が深く、しっかりとしたエビエンスがある事が分かり、ご興味を持った方、絵本専門士になりたいと思った方もおいでになったのではないでしょうか?
そのような方の為に受講までの流れをご紹介したいと思います。
しかし、まず初めに伝えておきたいのが、誰でも取得できる簡単な資格ではありませんでした。
絵本専門士の受講できる応募資格に下記が条件とされています。

●子供や絵本に関連する資格を有する者

例)

1.司書、司書補の資格を有する者

2.保育士の資格を有する者

3.幼稚園教諭の資格を有する者

4.小学校教諭の資格を有する者

●絵本に関わる実務について、原則として3年以上の経験を有する者

例)

1.図書館職員としての実務経験を有する者

2.保育士としての実務経験を有する者

3.幼稚園教諭としての実務経験を有する者

4.小学校教諭としての実務経験を有する者

5.福祉施設職員としての実務経験を有する者

6.絵本や児童文学の出版・販売の実務経験を有する者

7.絵本や児童文学の編集の実務経験を有する者

●絵本に関わる活動に携わり、原則として3年以上の経験を有する者

例)

1.絵本の読み語り活動の経験を有する者

2.絵本に関するワークショップの実務経験を有する者

●絵本学や児童文学、美術について研究実績を有する者

例)

大学院において児童文学の研究実績を有する者

講座受講は年5回ありますが、受講日の約半年前から募集開始となり、第一次選考審査、第二次選考審査に受かった方のみが受講できるという、とてもハードルが高い資格です。
しっかりとした知識を身につけて、それらを応用する様々な技能が必要と、まさに教育者という立場の資格という事ですね。それでも受講したいという方はとても意義のある資格だと思いますので本気で目指してみてはいかがでしょうか?

絵本専門士養成講座パンフレットはコチラから見る事ができます。
https://www.niye.go.jp/files/items/756/File/2021ehon(1).pdf

「実務経験がない」だけれども受講したい人に、入り口を軽くした“認定絵本士”という制度も誕生しています。

実務経験が必要な絵本専門士、実務経験がない人でも受講できる認定絵本士

 スマートフォンの普及などで子供たちの読書離れが進む中、絵本の魅力や可能性を伝える指導者としての役割が期待され、創設された絵本専門士。現在、全国に約500人いるとされますが、類似資格の認定絵本士との棲み分けはどうなっているのでしょうか。
末原係長から、絵本専門士と認定絵本士について、「実務経験の有無が大きな違いです」と説明。認定絵本士は認定絵本士養成講座を開講する認定校に通うことで取得できるのに対し、絵本専門士は、図書館職員や保育士、小学校教諭といった実務の経験者が対象であることから、「実務経験がある人がさらに知識を身につけようと言うのが絵本専門士の立ち位置です」と話してくれました。
絵本専門士は、絵本が子供の生育発達に与えるポジティブな効果が大きいことから、人気が高く、保育士が取りたい資格ナンバーワンとなっているそうです。実際に養成講座の定員は70人に対し、最近は1000人を超える応募があり、取得するハードルが高くなっているとのことです。すごい倍率ですね。

そのような背景もあり、絵本専門士に対し、認定絵本士は「もっと多くの人に」「実務経験がない人でも学べる」ようにと、認定絵本士制度を設けたとのこと。2019年度に資格制度の運用が始まり、現在では大学や短大、専門学校など34校を開設機関に養成講座を開いています。
「認定絵本士の取得者が、3年の実務経験を経て絵本専門士になるという段階を作っています」と説明しました。

通常は実務経験3年を積まないと絵本専門士の受講ができないが、
認定絵本士を受講する → 絵本専門士になる近道になるようです。
とは言ってもまだまだ簡単になれる資格ではありませんね。それほどしっかりと教育を受けた方だけが取得できる絵本専門士、だからこそ信頼があり、憧れの資格になりますね。

認定絵本士も人気が高く、大学から申し込みも多いといいます。一方で、養成講座の内容は各開設機関に一任していることから、講座を共通の内容にしにくいという課題も。そこで、国立青少年教育振興機構が出版したのが「認定絵本士養成講座テキスト」なのだそうです。末原係長は、「このテキストは、本職は教育ではないけれど、絵本についてもっと知りたいという人を対象としています」と話してくれましたので、絵本が好きな方は是非ご覧になってみてください。

「認定絵本士養成講座テキスト(222ページ):中央法規出版」はコチラ
https://www.chuohoki.co.jp/products/welfare/8225/

認定絵本士 受講パンフレットはコチラ
https://www.niye.go.jp/files/items/757/File/nintei2021.pdf

読み聞かせは教育問題解決の一助となる

最後に、桑山課長からメッセージを頂きました。 子育ての意識の低い家庭の増加など、教育の問題が顕在化する中、絵本や読み聞かせの重要性について、語りました。「教育の問題は複雑であり、1つを改善したからと言って、全てが改善される訳ではありません。それでも、包括的な問題の解決の一助になるのが、絵本、ひいては読み聞かせです。読み聞かせで育った子供は、親になった時に、我が子に自然と絵本の読み聞かせをされていくと思います」と、お話ししてくださいました。「教育をしよう」とか「あれもこれもしないとダメ」と言われても現実的に難しかったり、変に意識して疲れてしまって何もできない。さらに最悪なのはあれもこれもしなくちゃとストレスになり、そのストレスが子供に向いてしまう事が一番最悪な事ですが、「絵本を読んであげる」という自然な行為で、とても簡単、ママパパ自身も楽しんでできる事がお子さんの心身の成長につながるのであれば絶対取り入れたい事ですね。しかもエビデンスもあるのですからなお嬉しいですね。
読み聞かせでママパパにもきっと良い恩恵があると思いますよ。
「読み聞かせしなきゃ」ではなく「読み聞かせしたい!」の気持ちで、読み手側から楽しんで始めてもらいたいです。

引用:
https://www.niye.go.jp/services/plan/ehon/senmon.html
https://www.niye.go.jp/about/kouhou/siryou.html
https://www.niye.go.jp/files/items/1335/File/dokusyo_tetsudai_sotoasobi.pdf
https://www.niye.go.jp/files/items/1335/File/dokusyo.pdf

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国立青少年教育振興機構 教育事業部の方からオススメの絵本を教えてもらったのでご紹介いたします。

桑山課長からは、
『そらまめくんのベッド』  作・絵:なかやみわ 出版社:福音館書店
「この絵本何回読んだか分かりません」とお子さんからの強いリクエストがある絵本。
人気の絵本は必ず理由がありますからね。まだ読んだ事が無い方はぜひ見てみたいですね。

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末原係長からは、
『にゃーご』 作・絵:宮西 達也 出版社:鈴木出版
なかなかインパクトのある表紙ですが、ストーリーはどうなのでしょうか? こちらも気になりますね。

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國定さんからは、
『最初の質問』 詩:長田 弘/絵:いせひでこ 出版社:講談社
今度は大人が見るような繊細なタッチの絵本ですね。
中身を読み進めていくと、想像力が掻き立てられそうですね。

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國定さんからもう1冊
『わたしのワンピース』 作:にしまきかやこ 出版社:こぐま社
これは想像力が育まれ、親子一緒に楽しめそうですよ。

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よくある質問で。
「読み聞かせの際にどうやったら良いですか?」という質問が多いのですが、特に決まりはなく、リラックス・楽しんで読んであげる事が大切です。
読み聞かせ方ではなく、スキンシップが目的なので「人の声で読んであげる」「ママからもパパからも読んであげる」という事に重きを置くことが大切ですよと教えてくれました。
また、抑揚をつける話し方、あえて抑揚をつけないナレーション風の話し方もどちらも良い事なので、あれこれ考えずに、その時の気分で楽しく読んであげれば良いそうです。

また、先ほどのお三方から絵本の紹介してくれた時に決まった対象年齢はあるのですか?と質問したところ「対象年齢が書かれている場合もありますが、そこにこだわる必要はありません。意味が分からなくても、しっかりと絵や音(声)などを捉えてくれますし、大きくなった子が0才用の絵本を読んでも、改めて楽しさや新しい事を発見したりしますよ」と教えてくれました。

もちろん月齢・年齢に適した絵本がある事は間違いないですが、まずはママパパがお気に入りの絵本を読み聞かせてあげて、お子さんが好きになる絵本を一緒にさがしてあげるのも良いのではないでしょうか? お子さんが大きくなった時に「うちにはこの絵本があった」「この絵本好きだったな」と“わが家の絵本”を作ってみてはいかがでしょうか?

普段何気なくやっていた絵本の読み聞かせというコミュニケーションが、発育にもなり、教育にもなる、良いこと尽くめですね。
この記事が絵本の読み聞かせのきっかけになれば幸いです。

おまけ

国立オリンピック記念青少年総合センターには、誰でも無料で絵本を読めますのでお近くの方、お近くにいらした時は是非寄ってみてください。
駐車場もあります。(30分毎150円(入庫してから8時間未満:利用時間は6:30~23:30まで)

国立オリンピック記念青少年総合センター
アクセスURL https://www.niye.go.jp/access/

読み聞かせスペース&沢山の絵本

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『もこもこもこ』 作:谷川 俊太郎 絵:元永 定正 出版社:文研出版