「子育てするなら荒川区」から「子どもを産むなら荒川区」へ
2022年4月に待機児童ゼロを達成するなど、子育て支援に注力している荒川区。冒頭で紹介した「共働き子育てしやすい街ランキング」で2015年に全国1位、2021年は全国11位(東京3位)と、常に上位ランクインしています。
「全国1位になったことを大切に、“子育てするなら荒川区”とおっしゃっていただけるよう、さまざまな課題をクリアしてきました」(小堀さん)
荒川区では、学識経験者、子育て支援事業者、保護者の代表、公募区民が集まって、地域の子育て支援の充実などを話し合う『荒川区子ども・子育て会議』を開催しているそうです。
「その会議で区民の方から“育てやすい”から“産みやすい”に注目した区になってほしいというご意見をいただきました」(小堀さん)
子育てしやすい街であることは実績が示すところで、次は子どもを産みやすい街を目指しています。
そんな荒川区の子育て支援や手当・助成は、荒川区ホームページ、「あらかわ子育て応援ブック」「あらかわすくすく子育てアプリ(母子モ)」などでチェックしてみてください。
荒川区の「子育て」に関する
支援・手当・助成などの一覧はコチラ
https://www.city.arakawa.tokyo.jp/kosodate/index.html
「あらかわ子育て応援ブック」表紙
※デザインおよび内容は変更される予定です
「あらかわ子育て応援ブック」についてはコチラ
(PDF版が無料で公開されています)
https://www.city.arakawa.tokyo.jp/a035/kosodate/kosodateshien/odekakemap.html
「あらかわすくすく子育てアプリ(母子モ)」
画面イメージ
「あらかわすくすく子育てアプリ
(母子モ)」についてはコチラ
https://www.city.arakawa.tokyo.jp/a035/kosodate/kosodateshien/kosodateapuri.html
続いては『35(産後)サポネット in 荒川』についてご紹介します!
地域の子育て世帯を支援する『35(産後)サポネット in 荒川』
荒川区の子育て支援において重要な役割を担っているのが、荒川区町屋に拠点を構える『35(産後)サポネット in 荒川』。首都東京大学(現・都立大学)の母性看護学・助産学の先生たちが2003年に構想を立ち上げ、本格的な活動スタートから17年になる子育て支援ボランティアの任意団体です。
都立大学荒川キャンパスから
徒歩5分のところにあります。
立ち上げ当時は“子育て支援”といえば保育所の確保が主眼で、在宅で育児をする家庭への支援は皆無に等しいなか、実習で出産に立ち会う大学の先生たちは「このお母さんと子どもは、この後どんな生活をしていくのだろう」と心配になる家庭をたくさん見てきたそうです。
そこで『35(産後)サポネット in 荒川』の前代表・恵美須文枝先生(現・都立大学名誉教授)は、地域と大学の双方に役立つ支援方法はないものかと考え、文部科学省の研究費を得て、子育て支援モデルの構築を研究することから始めました。2006年度からは荒川区の補助金を得て、『35(産後)サポネット in 荒川』として正式に発足。現在は国の地域子育て支援拠点事業にも認定されています。スタッフとして関わってるのは、大学の公開講座で恵美須先生の活動に共感して集まった地域の方々です。
『35(産後)サポネット in 荒川』についてはコチラ
https://35saponet.com
『35(産後)サポネット in 荒川』の支援活動
2003年に構想を立ち上げて以来、さまざまな形で地域の子育て世帯を支援し続けている『35(産後)サポネット in 荒川』ですが、現在の活動は「家庭訪問支援(産後支援ボランティア派遣事業)」と「子育て交流サロン」がメインになっています。現代表の藤田房江さんは、気軽に頼ってほしいとの想いから、出前(=訪問)とお店(=サロン)と表現しています。
産後支援ボランティア派遣事業
産後6か月までの赤ちゃんがいるご家庭に、都立大学の学生ボランティアと地域ボランティアが伺い、育児のサポートを行ないます。荒川区と連携して2003年から行なっている事業です。
1家庭ごとにボランティアチームを編成し、交替で訪問支援を行なっています。赤ちゃんのお世話、沐浴、通院や外出の付き添い、上の子との室内遊び、短時間の赤ちゃん見守り、調理以外のちょっとした家事などを手助けしてくれるそうです。週1回2時間、ボランティア1名につき500円で利用できます。
学生にとっては訪問支援も貴重な現場実習です。
(写真提供:35(産後)サポネット in 荒川)
本サポートを利用された方からの声をいくつかご紹介します。
◎初めての育児で不安ばかりの頃(産後1カ月頃)からお世話になりました。里帰り出産をしていない私たちにとってサポーターさんのアドバイスは毎回とてもためになりました。
◎サポートしてくださる方が丁寧で親切で、時には人生相談まで……。“荒川っていいところだな”としみじみ感じております。
◎同じボランティアさんに来ていただいて、子どもも安心して遊んでいました。その間は家事をどんどん進められて、とても助かりました。
◎スタッフさんのおかげで寝かせ方も勉強になったり、自分の身体を休めたりすることができました。
◎定期的に訪問してくださる方の存在はとてもありがたかったです。
サポート終了時にとっているアンケート(2021年2月に集計)によると、『産後支援ボランティア派遣事業』を知ったきっかけとしては「保健師から」55%、「ゆりかご面接」13%と、健康部(保健所)から紹介されるケースが多いようです。サポートを利用して育児負担が軽減されたかについては「とてもそう思う」68%、「やや思う」17%と、8割以上の方々がラクになったと回答しています。
ここ数年はコロナの影響で母国へ里帰りできなかった外国籍のご家庭の利用が増えているとのこと。ママは日本語をまったく話せない場合も多く、心配したパパから相談が入るそうです。言葉が通じない異国での出産・育児、ましてコロナ禍ではどんなに心細かったことでしょう。
バングラデシュ人ご家族を訪問した時の様子
(写真提供:35(産後)サポネット in 荒川)
『35(産後)サポネット in 荒川』が目指しているのは“一人ぼっちにさせない子育て”、そして“みんなで育ちあう子育て”。ためらわずに連絡してきてほしい、とのことでした。
「産後支援ボランティア派遣事業」についてはコチラ
https://35saponet.com/houmon/
子育て交流サロン『みんなの実家@まちや』
『35(産後)サポネット in 荒川』の拠点は、荒川区認定の子育て交流サロン『みんなの実家@まちや』としても利用されています。
子育て交流サロンとは、0歳から就学前の乳幼児とその保護者が日中自由に過ごせるスペースです。子育ての知識を持ったスタッフが相談に応じてくれたり、親子ヨガやクラフト制作といったイベントも月替わりで行なっています。
子育て交流サロン「みんなの実家@まちや」についてはコチラ
https://35saponet.com/salon/
通りに面したところに『みんなの実家@まちや』
と書かれたカラフルな看板が!
大きな窓から外光がたっぷり降り注ぐ
明るいサロン
壁には色とりどりのペーパークラフトが飾られ、
楽しい雰囲気♪
《実家倶楽部》
『みんなの実家@まちや』では、サロンで過ごしてもらう時間を「実家倶楽部」と呼んでいます。実家のようにくつろいでほしい、との想いが込められているそうです。コロナ禍の現在は12:00~14:00と14:30~17:00に分けて、当日予約で各8組くらいの利用に抑えています。
「サロンに入る最初の一歩のハードルが高いというママもいるので、とにかく笑顔でママたちを迎えるように心がけています。赤ちゃんと二人っきりで家にいたら煮詰まっちゃうと感じているママが多いと思うので、とにかくママたちの話を聞いて、ママどうしのつながりをサポートするのが大切かなぁと思っています」(共同代表・冨山真美子さん)
生まれてすぐの赤ちゃん&ママも
たくさん利用しています
(写真提供:35(産後)サポネット in 荒川)
壁のペーパークラフトは地域ボランティアさんとママたちの合作!
窓辺の吊り飾りは小学生がサマーボランティアで作ってくれたもの
《イベント》
『みんなの実家@まちや』ではイベントも盛りだくさん! 第1月曜日には理学療法士による「ちょっこと発達相談」を開催し、寝返りやハイハイなど、運動機能の発達について相談できます(個別相談は要予約)。第2・4金曜日には「ちょこっと育児相談」として、助産師が身長・体重を測定してくれたり、ちょっとした育児相談、ママの健康相談に応じてくれます(個別相談は要予約)。
「初めての子どもだと、寝返りが遅いんじゃないかとか、股関節が硬いんじゃないかとか、育児書に書いてあるとおりに発達していないとママは心配になっちゃう。そうした不安に少しでも寄り添えたらと、発達相談や育児相談は定期的に開催しています」(冨山さん)
そのほかにもさまざまなイベントを用意していますが、生後6カ月をお祝いする写真撮影会の「ハーフバースデー週間」は特に人気があるそうです。ハロウィンやクリスマスの季節にはスタッフもコスプレをして盛り上げているとのこと。最新のイベント情報は荒川区ホームページで配信している「あらかわきっずニュース」でもチェックできます。
「あらかわきっずニュース」についてはコチラ
https://www.city.arakawa.tokyo.jp/a035/kosodate/kosodateshien/arakawakids.html