スクワランとは?効果・効能や安全性について解説

スクワランとは?効果・効能や安全性について解説

肌に対して使用すると効果的な成分として、「スクワラン」が評価を高めています。さまざまな化粧品の成分一覧に記されているスクワランには、一体どのような効果や効能が備わっているのでしょうか。
そこで今回は、スクワランに関する効能の基本だけではなく、安全性についても詳しく解説します。赤ちゃんの肌に使用しても問題ない成分なのかどうか、根拠と合わせてチェックしておきましょう。

スクワランとは

スクワランは、黒子ザメの肝油に含まれる「スクアレン(スクワレン)」に水素を添加して作られる飽和炭化水素です。スクアレンは1906年にはじめて発見された物質であり、物質の発見と抽出に成功したのは日本人の油脂科学者でした。
深海ザメの肝油が原料となる時代が続いていましたが、現代では植物性のスクワランも多く製造されるようになりました。とくにオリーブオイルやサトウキビの糖液、イソピレンの合成によって産生する合成スクワランが有名で、地球環境に配慮した製品も登場しています。
スクアレンは、人体の皮膚の中に1割程度含まれていることで有名ですが、空気中で酸化しやすいという欠点を持っています。この問題を解消するために添加されたのが水素です。水素の力によって安定性が高まり、多数の化粧品に配合できるようになりました。

用意するもの

スクワランはどんな化粧品に含まれている?

スクワランにはエモリエント作用による保湿効果があり、さらに元の化粧品の感触を改良するための効果を見込むこともできます。そのため、化粧品の主成分としてだけではなく、潤滑剤のような形で用いられるケースも珍しくありません。
このような特性を持つことから、ボディケア製品やハンドケア製品、シートマスク製品、ネイルアイテムの一部としてスクワランが多用されています。とくにクリームの肌触りを良化させる効果には定評があり、ベタベタした感触を減らせるため、赤ちゃんを不快にさせにくいこともメリットです。

ベタベタした感触を減らし肌触りを良化させる効果がある

スクワランの効果・効能

スクワランは人体が持ち合わせている成分であることは先ほどもご紹介しましたが、スクワランは加齢によって減少してしまう物質でもあります。外部からスクワランを摂取することにより、以下のような効果・効能に期待できます。

エモリエント作用や保湿効果

スクワランは人体への浸透率が高く、肌を柔らかい状態に保つエモリエント作用も備わっています。さらに保湿効果にも期待できる成分であることから、体内の水分をそのままの状態で閉じ込めて、みずみずしい肌をキープできることが、スクワランにおけるとくに魅力的な効果の1つです。
スクワランは加齢によって減少し、紫外線などの影響を受けやすくなります。そこで外部からスクワランを補給することにより、肌のバリア機能を高めて、正常な状態を維持することが可能です。角質化した肌を軟化させるうえでも、スクワランはとても重要な役割を果たします。

エモリエント作用や保湿効果

乾燥が原因で起こるシワを改善させられる

スクワランが持つ保湿・保水効果により、肌の水分量を一定以上にキープさせることに期待できます。ハリのある美しい肌を生み出せるため、乾燥が原因で起こる小さなシワを改善させたり、シワの発生を予防したりする効果が生まれます。
0~3歳までに湿疹や肌荒れを繰り返すと、大人になった後も肌トラブルに見舞われやすくなるといわれています。赤ちゃんにとって将来のリスクをケアできるという点も魅力的であり、これも赤ちゃん向けの化粧品にスクワランが採用される理由の1つです。

そのほかの成分によるベタつきを改善させられる

スクワランは単体でも上記のような効果に期待できますが、そのほかの保湿成分などの欠点を補う効果を含むことも特徴的です。スクワランはベタつきが少なく、サラッとした伸びのある成分であるため、ドロドロしやすいオイルなどの成分を中和させ、化粧品全体のベタつきを改善させられます。
とくに赤ちゃんにとっては、化粧品から不快感を覚えず、快適に利用できるという点が大きなメリットです。このような特性を持つことから、スクワランは赤ちゃん用のシャンプーや化粧水、クリームなどに配合されることが多く、大人用のアイテムとしては日焼け止めにも頻繁に取り入れられています。

そのほかの成分によるベタつきを改善させられる

スクワランの安全性

スクワランは医薬部外品原料規格2006に収載されており、厚生労働省から一定の安全性が認められた成分です。赤ちゃん用を含む多くの化粧品に10年以上にわたって採用されているため、実績も十分で、安心して用いることができます。
これまでにさまざまなメーカーがアレルギー性の有無に関する調査を進めてきましたが、ヒト試験の結果から大きな問題が見られることはありませんでした。皮膚炎を有する患者を含み、肌刺激性に関しても問題ありという試験結果は見当たらず、安全です。
眼刺激性に関しては、動物実験の結果として安全であることが確認されています。光感作性についてはヒト試験が行われており、この結果からも問題は報告されていません。これらの情報を合計すると、赤ちゃんでも安全に触れられる成分であることは間違いありません。

スクワランを使用する際の注意点

スクワランに関する注意点はとくにありませんが、眼刺激性に関してのみ若干の注意が必要です。この項目に関しては、ほかの試験とは異なりヒト試験が実施されていません。安全が確認されたのは動物試験の結果のみなので、念のためできる限り目の中にスクワランを入れないように注意を払いましょう。

まとめ

スクワランは単体でも保湿効果を持つ有効な成分ですが、ほかのオイルなどの成分を希釈させてサラッとした感触に仕上げる効果も備わっています。そのため使用後に不快感を覚えることのない化粧品に仕上げる切り札として活用されることも多く、赤ちゃん用のシャンプーなどにも多く含まれています。
眼刺激性に関してのみヒト試験が行われていませんが、皮膚刺激性やアレルギーに関してはヒト試験により安全が確認されています。赤ちゃんでも安全に使用できる成分として評価できます。

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