取材・相談してきました!

第15回は、日本全国で
リトミック指導者を育てるトップランナー、

リトミック研究センターを取材しました。

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Q.具体的にどんなレッスンをしているのでしょうか?

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https://www.facebook.com/npo.eurhythmics
facebookリトミック研究センター 5月14日より
(教具を使ったレッスンイメージ)

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https://www.facebook.com/npo.eurhythmics
facebookリトミック研究センター 2月20日より
(Step3「感覚」から「理解」へ
「カラーボード」と「スカーフ」を使ったレッスン)

聞く、動くこと以外に、さまざまな色や形のオリジナル教材を使って、見たり、触ったり、考えたりと五感を使った経験をする時間を用意しています。この教材は、当センターが開発した「クラフト教具」というもので、幼児教育で知られるモンテッソーリの理論をベースに、触ったときのザラザラ、デコボコなどの感じや、破いたときのビリビリという音や感触にまでこだわってつくっています。

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リトミック研究センター クラフト教具より

0歳』は、ママやパパといっしょに教具を使います。子どもたちが興味を引く色や形で、「きれいだね」「さわってみようね」「音を出してみようね」というアクションで、子どもたちが色や形を覚えていきます。

1歳』になってくると指でつかむ、目で追うなど、目と指の共存をはかっていきます。自分で紙を破いて音を出したりしてイメージをつくっていきます。

2歳』になっていくと、身の回りにものを題材に「言葉」や、「拍」を理解していきます。

3歳』は身近にあるものを絵やパズルにして、語る、読む、書くことの基本と数を理解します。数が数えられるようになると三拍子、四拍子にもつながり、リズムがとれるようになります。

4歳』は音楽的能力の基礎づくりとして、音符や音の高低を理解します。

5歳』は楽譜を読んだりするソルフェージュになります。


「音に合わせて飛びましょう」「うさぎみたいに両足で飛びましょう」といった動作は、1歳ではできません。2歳でだんだんできるようになりますが、テンポよくはいきません。先生が合わせてあげることで、だんだん二分音符で飛べるようになります。3歳ならスキップができるようになります。

3歳までは繰り返しが大好きで、できたことを何回もしたいのですが、4、5歳になると「もっと次、もっと次」と、自分の限界を超えていきたくなります。
子供の生理や心理をふまえて、成長に合わせたカリキュラムが求められます。
子どもたちは受け手ではなく、自分で主体的になって参加できるほうが身につくので、レッスンはそのように組み立てられています。

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https://www.facebook.com/npo.eurhythmics
facebookリトミック研究センター2月26日より
(STEP4 拍から拍子の表現へ)

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https://www.facebook.com/npo.eurhythmics/photos/3109791105904728
facebookリトミック研究センター 3月13日より
(STEP5 表現するスピードが早くなる)

Q.リトミックは、先生の指導力が重要ですね。

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https://www.eurhythmics.or.jp/learn/schooling/
写真で見る養成校の様子より
授業(ピアノ演奏法)

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https://www.eurhythmics.or.jp/learn/schooling/
写真で見る養成校の様子より 授業(リズム)

リトミックは、スイスの音楽家ダルクローズが生み出した音楽家育成のための教育法です。そこに、児童心理学や大脳生理学の理論をベースにして、今の幼児教育のかたちができました。当センターでは、感性や感覚を磨く感覚教育としてモンテッソーリの理論も取り入れています。100年ぐらい前の教育方ですが、今なおこの2つが残っているということは、普遍的な教育だからでしょう。

日本のリトミック教育の始祖である板野平(やすし)先生に学んだ岩崎光弘先生が、全国でリトミック指導者を育てるために組織したのがリトミック研究センターです。プロフェッショナルな指導者育成を目的にしていますので、年間200時間、2年間で400時間を学ぶようになっています。
リトミックは、「指導者ができないことは教えてはならない」ので、授業科目も多いですし、体の動かし方、リズム、指導法など試験は難関です。それでも言葉のないコミュニケーションを感じられると、楽しんで学んでおられる方が多いですね。また実地のスクーリングも大切にしていて、合図のかけ方ひとつで子どもたちがぱっと動けるようになる体験を積んでいくことが大事なんです。

最近では、「子どもの頃リトミックをやっていて楽しかったから、今度は先生になるために勉強しにきました」という方も増えてきました。そういう方は、あらためて学ばなくてもほぼできるので、楽です。幼少期に身に着けたものは感覚的にいつまでも残るんですね。

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取材協力:
特定非営利活動法人 リトミック研究センター

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取材してみて

子どもたちの心と体の成長のために、五感への刺激が大切であることを実感しました。また、子どもたちの「やりたい」気持ちを育てていき、その個性を大事にするという姿勢にとても共感しました。
Fam’s Park ファムズのがっこう@でもリトミック講師によるプログラムを用意しています。おうち時間中でも赤ちゃんといっしょに充実した日々を過ごせるよう、これからもいろいろな経験ができる場を提供していきます。
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