子どもたちの健やかな発育における
リトミックの効果とは
コロナ禍で気軽に外出ができなくなったことで、赤ちゃんの成長の糧となる体験が少なくなったという声を聞きます。そんな親子を応援しようとFam’s Parkでは、「ファムズのがっこう」(https://fams-skin.com/fams-park/talking/)を開校し、赤ちゃんの視覚や聴覚の刺激を促すプログラムを提供しています。
音楽を聴いて体を動かし、心と身体の成長を促すリトミックの可能性は大いに期待されています。ということで、リトミック指導者育成に定評があるリトミック研究センターの本部事務局次長井上雄介さんにお話を伺ってきました。
リトミック研究センター
本部事務局次長 井上雄介さん
大人になってからも影響大!
幼児期の感覚教育の大切さ
Q.リトミックは幼児教育にどんな影響があるのでしょうか?
https://www.facebook.com/npo.eurhythmics/
リトミック研究センター facebook 6月21日より
子どもの神経が各組織と結びつくスピードはものすごく早く、7歳ぐらいまでにある程度定まってきます。そのため、子どものときにできたことやできなかったことが大人になっても影響します。よく例えられるのが自転車です。子どものときに自転車に乗れるようになった人は、しばらく乗っていなくてもまたすぐに乗れるようになります。ところが大人になってから乗れるようになった人は、乗っていないとすぐに乗れなくなってしまいます。
感覚が身につく時期は決まっているので、子どもの頃の体験や活動が大切であることは間違いありません。
リトミックでは、小さいころから耳を澄まし、ものをしっかり見て、触れて、体を動かし、自分で考えて表現する訓練をしますから、子どもの感覚がより養われるのです。
Q.リトミックは、子どもの創造性や感受性を広げてくれるイメージですが、集中力や判断力、社会性も身につくと言われているのはなぜでしょう?
https://eurhythmics-japan.com/
リトミック研究センター
教員養成東京校付属リトミック教室
体験レッスンより
リトミック教育の第一人者で、当センターの創業者である岩崎光弘先生は、リトミックはコミュニケーション教育だと言っています。
日本の教育の現場では、子どもたちが先生に合わせることが多く、一方通行であることが多いと思います。リトミックの場合は、先生が子どもたちに合わせることも多いです。子どもが先生のピアノに合わせて動くだけでなく、先生が子どもたちの動きに合わせてピアノを即興で弾いたりするので、常に双方向です。子どもは先生やまわりの様子に常に敏感でいますし、お互い感じ合わないとリンクしません。そして、その過程で相手の表現を否定しないということを大切にしています。できないからダメということはなく、その子の表現をみんなが大切にする、そんな協調性や社会性がないとレッスンが成り立たないのです。
幼稚園でリトミックを導入して、先生の話がよく聞けるようになったという話をよく聞きます。先生が教室に入ってくると、子どもたちはパッと先生の方を向くようになるんだそうです。注意力が育ってますね。リトミックの活動は「即時反応」ということをベースにしています。ピアノが鳴っているときに動いて、鳴り終わったら止まるという動作は、いつ音楽が止まるかわからない状況から注意力が育ち、集中力と判断力が養われていきます。動きを止めるという身体の動作は、低年齢の子どもにとってはかなり難しいコントロールですから、重心移動や身体をどう使うかという経験を積んでいくと運動能力の発達にもよい影響があります。
Q.リトミックは教育効果が高いと感じますね。他にどんな影響がありますか?
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リトミック研究センター facebook 3月13日より
(STEP4 五線や音符の教材を使用)
楽器を習ったりするときに違いがでますね。私の子どもは、5年間リトミックをやってきましたが、初めてドラムを習ったときに、先生と同じビートで叩くことができて驚かれました。聴いたことを覚えてリピートできるのは、楽器をやってきた子と同じ反応だと先生はおっしゃっていました。
保護者の方から聞いたお話ですと、普段はおとなしい子が、リトミックをした後にすごく大きな絵を描き出して、「先生画用紙足りない」ってとても積極的になったそうです。リトミックは、子どもがやりたい気持ちを育てていく教育です。その子の個性を大事にすることで、さまざまな能力が開花していきます。
Q.赤ちゃんの頃からいろいろな経験をさせてあげたいと思う親御さんも多いでしょうね。
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リトミック研究センター 0歳
【ベビーのためのリトミック】生徒募集中より
0歳児クラスの問い合わせはとても多いです。0歳児は、音楽に合わせて体を動かすことはできないので、厳密に言えばリトミックのレッスンというより、リトミックの楽しさを親子で体感してもらうものです。赤ちゃんはまだなにもわからないように見えてもいろいろなことを吸収しています。実際、1歳に上がったときの理解度はだいぶ違いますね。でも一番変化するのは、ママやパパかもしれません。「うちの子はできてない」「他の子とちょっと違う」と思って焦ってしまうことがありますが、リトミックはその子を認めてあげる環境をつくるので、親御さんが子ども対して待てるようになっていきます。
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